25 January 2009

アモレイラス・ショッピングセンター


カンポ・デ・オウリケに引っ越して来てから、アモレイラスは歩いて10分程度で行くことができる最寄りのショッピング・センターである。このショッピング・センターは建築家トマシュ・タヴェイラによって設計された。タヴェイラは(いまどき流行りの)スキャンダル・ビデオテープの流出によって、社会的名声を失ってしまった建築家である。しかし、ポルトガルのポスト・モダン建築をリードしたポルトガルの建築界において最も重要な建築家の一人である。

そういう事実を抜きにして建物だけを見たとしても、ちょっと趣味の悪い建物だなあ、とリスボン市民が思う建物である。と同時にかなりの市民が利用するリスボンにおいて最も重要なショッピング・センターの一つである。タヴェイラはまた、熱狂的なファンで知られるスポルティング・リスボンのホーム・スタジアムも設計した。これまた建築をやっている人の間では評判の悪い建物である。しかし、スポルティンギスタにとっては聖地としてすっかり定着している。

では僕はどうかというと、その両方の建物に好感を持っている。ポルトガルにおいてミニマルな建築が支持される中、その過程で削ぎ落とされ、失った重要な要素を持っている、と感じるからである。その一つは、建築が建築であるとはっきりと主張している強さである。当時、巨大な宇宙船が突如空からおりて来たかのような強烈な印象を与えた二つの建物は、もはやリスボンの町にすっかりと溶け込んでしまっている。

トマシュ・タヴェイラ氏へのインタビュー