28 October 2008

バルセロナで友人に会う

バルセロナでオオクボ夫妻、そしてキタと久しぶりに会う。キタとは5年以上顔を合わせていなかった。オオクボ夫妻とは正月ぶり。バルセロナ、ジローナ、ポルトボウを旅する。いっしょに旅したことはもちろん、何よりも学生時代の友人と久しぶりにいろいろと話せて楽しかった。こちらにいると、日本の友人に会うというのは、自分がたまに日本に帰国したときか、友人が今回のように旅行でやってくるときかのどちらかなので、稀だ。こちらにいて何よりも不自由に感じるのは、友人、家族に気ままに会えないことだ。

その分、アイツはどうした、コイツはどうした、などといろいろな人の近況を聞かせてもらった。その度に懐かしいなあ、と思いを馳せる。30前後になれば、みなそれぞれ、いろいろなことをやっているもんだと思う。

リスボンに到着して、空港でこれまた何年ぶりかに元同僚アンドレイアに会った。彼女は首の後ろに「友」というタトゥをしていて、それ「犬」って意味だよ、と冗談を言ったら顔を真っ赤にして恥ずかしがってくれた元同僚である。にもかかわらず、事務所に入ったばかりの自分にいろいろと親切に接してくれた、とてもいい人である(実のところは、彼女はとてもいい人である、にもかかわらず、僕はひどい冗談を言ってしまった、の方が正しい)。驚いたことに、彼女は現在バルセロナに暮らしていて、これからバルセロナ行きの飛行機に乗るところであった。当時は英語だった会話がポルトガル語になったことに、短いながらも自分もそれなりにこの国で生活してきたんだなと感じる。そして、久しぶりにリスボンの空気を吸って、ほっとするのも事実。

16 October 2008

ポルトガル、大苦戦

ポルトガル代表が危ない。4試合を終えて1勝1敗2分けの勝ち点5。ライバルとなりそうなデンマーク、スウェーデンは共に1試合少なくてそれぞれ勝ち点7と5。その上、格下のハンガリー、アルバニアにも勝ち点5で並ばれている。

初戦のマルタ戦に快勝した後、ホームでの大事なデンマーク戦で、試合を支配しながら土壇場で試合をひっくり返され敗れた後、未だにそのショックを引きずっている。第3戦はこちらも調子の上がらないスウェーデンにアウェーとはいえ、スコアレスドロー(スウェーデンは前回のユーロに引き続き、ヨーロッパのごく平均的なチームに成り下がっている)。そして今日第4戦は、ホームで格下アルバニアにまたしても無得点で、0-0の引き分けに持ち込まれてしまった。星勘定だけで見れば、まだまだ心配する必要がないかもしれないが、チームの状態はかなり悪い。

ただ主力の多くを怪我で欠いているのも事実だ。というよりは、これで誰がチームに不可欠な存在かがはっきりとしたはずだ。デコ、シマオン、ボジングワなど主力を欠く中、最近代表でも台頭して来たマヌエル・フェルナンデス、ダニー、モウティーニョが先発で、ナニ、カレズマが途中出場した。そしてロナウドがキャプテンマークをつけた。この若さ溢れる代表は、残念ながら今のところ全く機能していない。スウェーデン戦、そしてホームでの格下のアルバニア戦において、チームワークも戦術も存在しなかったように見える。そしてケイロス監督の今日の最大のミスは、ロナウドにキャプテンを任せたことであった。もはやロナウドのキャプテン不適格は、若さがなどが理由ではないことが今日の試合ではっきりと見て取れた。これまでマンチェスターや代表で華々しい活躍ができたのは、周囲の選手のチームプレーあってのことである、ということを彼は全く理解していないように見える。周りの安定したプレーがあってこそ、ロナウドの個人技が生きているのであって、彼が個人プレーに走っても、デコやシマオンなどの中心選手を欠く代表では効果的ではない。コンディションが悪いのは仕方がないとしても、キャプテンを任されたからには、代表では他の若手に比べ、格段に経験値の高い選手であるからには、チームを鼓舞して引っ張って行く必要があったのだが。

後半残りわずか、味方からの簡単なパスをミスして、外に出してしまったロナウドは、それにブーイングを浴びせるファンに悪態をついてしまった。彼にはキャプテンがつとまらないことを確信した瞬間であった。問題はこのようなロナウドの振る舞いは、他の若手にも共通していることだ。ナニ、カレズマ然り。マヌエル・フェルナンデス、ミゲル・ヴェローゾ、ヤニック然り。この世代唯一の救いはモウティーニョだが、ケイロスは彼をナニと交代してしまった。監督の手腕もかなり疑問である。

次のスウェーデン戦は来年3月なので、それまでにデコ、シマオン、ボジングワが復活し、メイレレス、モウティーニョとともにパスワークで相手をくずし、ロナウドが調子を取り戻せば、少なくともプレーオフに出場する可能性はかなり高いと思うのだが、、、。逆転負けしたものの、主力の揃っていた第2戦のポルトガルのパフォーマンスは非常に期待を抱かせるものであったのだから。

15 October 2008

ファドを聴きに行く

月曜日にタシュカ・ド・シコというバイロ・アルトのお店にファドを聴きに行く。3年以上ポルトガルに住んでいて、ファドを聴きに行くのはこれが2度目。これまでほとんどファドに興味を持たなかった自分がなぜ聴きに行ったかというと、前々日の土曜日に知り合ったトヨダくんの友人のファディスタ、クミコさんにお誘いを受けたからだ。前回も同じタシュカ・ド・シコで聴いたのだけれど、ここが実はリスボンで唯一無料でファドを聴ける場所らしい。彼女が言うにはこの小さなお店に有名なファディスタ、ファディストがちょくちょく顔を出すという由緒あるお店だそうだ。現に、カマネという有名なファディストもその日お店に来ていた。もっとも彼女に言われなければ僕は気が付かなかっただろうけれども。

そんなお店でクミコさんはファドを歌った。すごい、すごすぎる。みんなが見守る中、2曲を歌い終える。小さな体から発せられる歌声にみんな聞き入っていた。ベンフィカのスタジアムで、ベンフィキスタのブーイングを背に受けながら、コーナーキックポイントに立った中村俊輔の姿には鳥肌が立ったけれど、それと同じくらいの興奮を覚えた。文字通り、彼女には勇気づけられた。

11 October 2008

最後のプロジェクト


夜にちょっと出かけるはずが、ついついパソコンから離れられなくなってしまったので、久しぶりに近況でも。

と言っても、実際、仕事以外は最近ほとんど活動していないので、思い出しながらぽつりぽつりと。先週は現在リスボンで開催されているフランス映画祭にトヨダくんと出かける。シネマ・サン・ジョルジェで『BORD DE MER』(監督 Julie Lopes-Curval、2002年)という映画を見る。3組のカップルのメランコリックな人生が絡み合って、とってもメランコリックな雰囲気の映画だったが、なかなか良い映画であった。小石を磨く工場の風景とか、砂浜ではなく小石がごろごろと転がっている海辺で海水浴をしている風景とか、曇り空とか、何かそういう冴えない空気が映画を満たしている中で、ある日突然、海水浴場に一匹のサメが現れて、それぞれ問題を抱えながら人生を送っている人々の視線が一瞬だけ同じ方向に向く。そこが、低調なストーリーの中で唯一映画が盛り上がるシーンであり、とても効果的なラストシーンであった。また、シネマ・サン・ジョルジェはこういうイベントがない限り中に入ることはできないけれど、なかなか気に入っている建物である。

日本から来たばかりのトヨダくんにアレンテージョ・スープを作ってもらう。オリーブオイルとコリアンダーとニンニクがベースで、最後にパンを入れて卵でとじる。シンプルながらパンチの効いた一品。美味。

アベニーダ・リベルダーデの改修プロジェクトは、実施設計に進んだ。それにしても、エンジニアさん、しっかりしてくださいよ、という感じである。そこには梁を通せないというところに、何本も梁が通っている。エンジニアから届いた図面を見て、黙って首を横に振るしかなかった。フランシスコ、スザンナとミーティングして、おそらく最良と思われるスキームを作る。これが正しかったら、一体、彼は何をしてい、、、。

(写真の屋根裏部屋を壊して、その上に2層付け足す改修プロジェクト。メインストリートに面していながら、街路樹より高い位置なので、騒音は気にならない。樹海、そしてその向こうにサン・ジョルジェ城。一体家賃はいくらになるんだろう?)