16 October 2008

ポルトガル、大苦戦

ポルトガル代表が危ない。4試合を終えて1勝1敗2分けの勝ち点5。ライバルとなりそうなデンマーク、スウェーデンは共に1試合少なくてそれぞれ勝ち点7と5。その上、格下のハンガリー、アルバニアにも勝ち点5で並ばれている。

初戦のマルタ戦に快勝した後、ホームでの大事なデンマーク戦で、試合を支配しながら土壇場で試合をひっくり返され敗れた後、未だにそのショックを引きずっている。第3戦はこちらも調子の上がらないスウェーデンにアウェーとはいえ、スコアレスドロー(スウェーデンは前回のユーロに引き続き、ヨーロッパのごく平均的なチームに成り下がっている)。そして今日第4戦は、ホームで格下アルバニアにまたしても無得点で、0-0の引き分けに持ち込まれてしまった。星勘定だけで見れば、まだまだ心配する必要がないかもしれないが、チームの状態はかなり悪い。

ただ主力の多くを怪我で欠いているのも事実だ。というよりは、これで誰がチームに不可欠な存在かがはっきりとしたはずだ。デコ、シマオン、ボジングワなど主力を欠く中、最近代表でも台頭して来たマヌエル・フェルナンデス、ダニー、モウティーニョが先発で、ナニ、カレズマが途中出場した。そしてロナウドがキャプテンマークをつけた。この若さ溢れる代表は、残念ながら今のところ全く機能していない。スウェーデン戦、そしてホームでの格下のアルバニア戦において、チームワークも戦術も存在しなかったように見える。そしてケイロス監督の今日の最大のミスは、ロナウドにキャプテンを任せたことであった。もはやロナウドのキャプテン不適格は、若さがなどが理由ではないことが今日の試合ではっきりと見て取れた。これまでマンチェスターや代表で華々しい活躍ができたのは、周囲の選手のチームプレーあってのことである、ということを彼は全く理解していないように見える。周りの安定したプレーがあってこそ、ロナウドの個人技が生きているのであって、彼が個人プレーに走っても、デコやシマオンなどの中心選手を欠く代表では効果的ではない。コンディションが悪いのは仕方がないとしても、キャプテンを任されたからには、代表では他の若手に比べ、格段に経験値の高い選手であるからには、チームを鼓舞して引っ張って行く必要があったのだが。

後半残りわずか、味方からの簡単なパスをミスして、外に出してしまったロナウドは、それにブーイングを浴びせるファンに悪態をついてしまった。彼にはキャプテンがつとまらないことを確信した瞬間であった。問題はこのようなロナウドの振る舞いは、他の若手にも共通していることだ。ナニ、カレズマ然り。マヌエル・フェルナンデス、ミゲル・ヴェローゾ、ヤニック然り。この世代唯一の救いはモウティーニョだが、ケイロスは彼をナニと交代してしまった。監督の手腕もかなり疑問である。

次のスウェーデン戦は来年3月なので、それまでにデコ、シマオン、ボジングワが復活し、メイレレス、モウティーニョとともにパスワークで相手をくずし、ロナウドが調子を取り戻せば、少なくともプレーオフに出場する可能性はかなり高いと思うのだが、、、。逆転負けしたものの、主力の揃っていた第2戦のポルトガルのパフォーマンスは非常に期待を抱かせるものであったのだから。