11 October 2008

最後のプロジェクト


夜にちょっと出かけるはずが、ついついパソコンから離れられなくなってしまったので、久しぶりに近況でも。

と言っても、実際、仕事以外は最近ほとんど活動していないので、思い出しながらぽつりぽつりと。先週は現在リスボンで開催されているフランス映画祭にトヨダくんと出かける。シネマ・サン・ジョルジェで『BORD DE MER』(監督 Julie Lopes-Curval、2002年)という映画を見る。3組のカップルのメランコリックな人生が絡み合って、とってもメランコリックな雰囲気の映画だったが、なかなか良い映画であった。小石を磨く工場の風景とか、砂浜ではなく小石がごろごろと転がっている海辺で海水浴をしている風景とか、曇り空とか、何かそういう冴えない空気が映画を満たしている中で、ある日突然、海水浴場に一匹のサメが現れて、それぞれ問題を抱えながら人生を送っている人々の視線が一瞬だけ同じ方向に向く。そこが、低調なストーリーの中で唯一映画が盛り上がるシーンであり、とても効果的なラストシーンであった。また、シネマ・サン・ジョルジェはこういうイベントがない限り中に入ることはできないけれど、なかなか気に入っている建物である。

日本から来たばかりのトヨダくんにアレンテージョ・スープを作ってもらう。オリーブオイルとコリアンダーとニンニクがベースで、最後にパンを入れて卵でとじる。シンプルながらパンチの効いた一品。美味。

アベニーダ・リベルダーデの改修プロジェクトは、実施設計に進んだ。それにしても、エンジニアさん、しっかりしてくださいよ、という感じである。そこには梁を通せないというところに、何本も梁が通っている。エンジニアから届いた図面を見て、黙って首を横に振るしかなかった。フランシスコ、スザンナとミーティングして、おそらく最良と思われるスキームを作る。これが正しかったら、一体、彼は何をしてい、、、。

(写真の屋根裏部屋を壊して、その上に2層付け足す改修プロジェクト。メインストリートに面していながら、街路樹より高い位置なので、騒音は気にならない。樹海、そしてその向こうにサン・ジョルジェ城。一体家賃はいくらになるんだろう?)