19 February 2007

POLISとゴンサロ・ビルネ

昨日は2月に入って初めての休日。事務所でキプロス共和国、ニコシアの国際コンペをやっているため、これまで2週連続で週末も仕事をしていた。このコンペ、作業は、飛ばしに飛ばしている。プログラムにオーディトリアムが入っていて、常に音響エンジニアと協働していかなければならないというのもあるが、何と言っても提出物に「3分間のムービー」があるからだ。提出は3月5日だが、設計はすでにほとんど終わっていると言っていい。少なくとも、ムービーを作るのには十分なくらい。ムービーは外注だけれど、2週間前から作業している。

そういうわけで久しぶりの休日となった昨日、行きたかった展覧会を2つ見て来た。エキスポのポルトガル・パヴィリオンで最近始まったばかりの『VIVER AS CIDADES Programa POLIS』展と、ベレンのCCBで、来週終了する『ゴンサロ・ビルネ Geografias Vivas』展。リスボンを端から端まで移動して見て来た2つの展覧会だが、前者はいまいち、後者は期待を上回った。

「POLIS」というのは、簡単に言えば、欧州委員会からの補助金で、EU各国の都市再生を行うプロジェクトだが、ポルトガルでは2000年から始まっている。その成果を報告する展覧会だ。第1回リスボン建築トリエンナーレの「前座」となる展覧会でもある。ポルトガル・パヴィリオンで行われているこの展覧会、普段は中に入ることができないこの建物の中に入ることができるので、それだけでも行く価値がある。展示物に関して言えば、プロジェクトの数こそ多いものの、それぞれのプロジェクトの説明が少なく、分かりづらかった。確か、ポルタレグレのPOLISは竣工しているものもかなりあったと思うから、そういうものを重点的に見せてほしかったな。でも、会場構成はなかなかいいし、しかも何か「匂う」、と思っていたら、うちの事務所出身のジョアン・トリンダーデによるものだった。会場構成についての説明があり、その中で彼は、このポルトガル・パヴィリオンの構成を「現代のパラシオ」と評していたが、それにはなるほどと思った。ポルトガル・パヴィリオンはパヴィリオンとして使われてこそ真価を発揮しているようだが、あの大屋根の下をうまく使えるかがミソだな、とも思った。その点、ジョアンはうまくやっているようだった。

『ゴンサロ・ビルネ』展は、これは終わる前に行っておいて良かったと思った。6つのプロジェクトを、それぞれ2種類のスケールの模型と、簡単なテキストでプレゼンテーションしていたが、これがとても分かりやすかった。よくもあれだけ大きな模型をいくつも作ったな、と単純に仕事量にも関心する。ベルギー、ルーベンの線路際のプロジェクトが一番好きだったかな。線路に対してボリュームが開いているのに共感が持てた。ファティマのプロジェクトは竣工したらぜひ見に行きたいと思った。