06 January 2007

ポルトガル剣道記 2

昨日が今年の稽古始めだった。これで4回目の参加となり、随分と勘が戻ってきた気がするけれど、いわゆる筋持久力というのが落ちている。自分では動くつもりも、体がついてきてくれないのだ。でもこれは練習を続けるうちに取り戻せるものだから心配はしていない。

4回目となると、だいたいの人と顔見知りになっているが、昨日初めて会ったという人もいる。その一人がジュニー君だ。彼は日本人の母親とポルトガル人の父親を持つハーフで、関西訛りの日本語もしゃべる。

「今、僕、高3です。」
「高3?ポルトガルの高3って、日本の高3といっしょなの?」

僕は、学年のことを聞いたつもりだったけれど、

「いや、中3といっしょくらい。」

と、ちょっと吐き捨てるように言う。僕は、思わず、え、何が?と聞き返すと、

「いや、頭のレベルが。休みが多すぎる、夏休み3ヶ月で、宿題も何もないからね。」

と、彼はポルトガルの「ゆとり教育」を憂う。でも何か、だめなんだよな、この国、と言いながらニコニコと笑っているのは、いかにも関西の血を受け継いでいる気がする。帰り、彼はわざわざ仲間に頼み込んで、僕を家の近くまで送ってくれた。今度、カステラ買いに行くからね、と僕は言って別れた。彼の両親とは、あの「カステラの里帰り」を目指していらっしゃるご夫婦である。