09 January 2007

ポルトガルの移民文化 1

ポルトガルのおもしろさに移民の文化がある。もともとポルトガルの植民地だったブラジルやPALOPと略されるアフリカの5カ国、インドのゴア、中国のマカオ、ティモールなどの文化だ。それらの国々の食文化や音楽に最近、僕はとても興味を持っている。

そのうちの一つにカボ・ヴェルデの音楽がある。ヨーロッパからアメリカ大陸へ行く途中の補給港として栄えたカボ・ヴェルデは、大西洋に浮かぶ小さな島々からなる。そこではポルトガル語と同時にクレオール語と呼ばれるポルトガル語から派生した言語が話されている。カボ・ヴェルデの音楽の多くが、このクレオール語で歌われる。クレオールとは、ポルトガル人と、アフリカ大陸から連れて来られた黒人奴隷(元々は無人島)との間から生まれた人々を指し、国民の7割を占める(ヨーロッパ各地にもコミュニティがある)。その言葉の響きも魅力の一つとなっている。

最近、僕がfnacで視聴に視聴を重ねて買ったCDが、Tito ParisとBoy Ge Mendes。フランスなどではカボ・ヴェルデの音楽というのは流行っているそうだが、ポルトガルではそれほどでもない。B.Lezaという僕が大好きなアフリカン・ディスコ(カボ・ヴェルデ中心)も、ポルトガル人はなかなか行こうとしない。Tito ParisのCDは、そのB.Lezaでのライブを収録したものだが、B.Lezaの雰囲気が伝わってきて、僕はかなり気にいっている。B.Lezaの雰囲気は僕がポルトガルを去っても、いつになっても、忘れないと思う。