30 December 2006

PROAP


昨日、ランドスケープ・アーキテクトのジョアン・ヌネスと、モンテモール・オ・ノヴォのプロジェクトに関するミーティングがあった。彼が主宰するランドスケープ・デザインのオフィス、PROAPへ初めて足を踏み入れた。PROAPもうちと同じサントスに事務所を構えており、歩いて5分の距離しか離れていない。テージョ川とビカの丘の中間に位置するビルの7階にあるオフィスは、その両側に絶景を手にしている。防音がきっちりとしていて、眼下の川沿いの大通りには車や電車が静かに流れる。その向こうには朝日できらきらと輝くテージョ川が見える。振り返ると、ビカの丘にはぎっしりと建物が並んでいて、そこに朝日が当たり、建物の陰影をくっきりとつけていて、ついつい見とれてしまう程の美しい眺めだ。

このプロジェクトにおいて、PROAPは同時に5つの設計事務所と協働をしていることになり、全体の調整がかなり大変なようだ。中でもうちの事務所に割り当てられている敷地は、当初から道路騒音が問題視されており、敷地を50メートル移動する必要がある、とか、防音壁が12メートルにもなってしまう等、難題を抱えている。ジョアン・ヌネスは、この問題を、地形にフィットした小さな山を連ねることで解決しようと試みている。これがうまく行けば、敷地をそれほど移動する必要もなくなり、以前持っていた、地形上の好条件を取り戻すことができるので、ぜひその線で解決してほしいところだ。

ところで、このPROAPは欧州では名の知れたランドスケープ・アーキテクト集団である。国内外で数多くのプロジェクトを手がけており、中でもイタリアでは高い評価を得ている。主宰するジョアン・ヌネスはリスボンの大学はもちろん、ヴェネツィア、トリノ、バルセロナ等の大学からゲスト・レクチャラーとして招かれている。イタリア、ミラノではコンペで1等を獲得したフォラニーニ公園が着工している(先に紹介したゴンサロ・ビルネと協働、上イメージ)。PROAPのウェブサイトは、http://www.proap.pt/ 。

(写真は http://www.byrnearq.com/ より)