05 August 2006

クリスティアノ・ロナウドの髪型をした若者達

昨日タカくんから連絡があり、急遽彼の仲間とフットサルをやることになった。

マドレデウス近辺の体育館でやったのだが、今までポルトガルでやった中で一番激しく、レベルも高かった。人数が多かったため、最初僕は外で出番を待っていたのだけれど、その激しさにちょっとびびっていた。シュートが滅茶苦茶に速いし、それがボコボコ人にあたっているし、怒声が飛び交うし。何と言っても、相手チームにはクリスティアノ・ロナウドみたいな髪型をした奴が3人くらいいる。クリスティアノみたいな奴って、基本的にここではチンピラ同然である。そうか、そういう所に来たのか。でもタカくんもかなり怪しげな日本人だし、そんなもんかと納得する。タカくんは前にも書いたが、ブラジル、スペイン、ポルトガルと身一つで渡り歩いてきたサッカー選手。現在無所属だが明日たくさんの代理人が集まるテストがあるそうだ。

いよいよ出番。いきなりゴール前でいいボールを受けて、相手をかわしてシュートを打ったが外れる。こいつもまあまあやるんだな、という空気は流れる。しかし、その後はトラップミスが続き、パスがあまり回ってこなくなった。彼らは本気だ。ファールの後は殴り合いになりそうになる。

交代で再び退いて、体力を回復させる。ゲームのペースにも慣れてきたし、次はやってやろうと思う。そしてまた出番が回ってきた。いいパス回しから僕にボールが回ってきた。そして思いっきり左足を振り抜いてゴール!思わず両手を上げてガッツポーズなんかしてしまった。誰もゴールしたくらいでそんなことやっていないのに。タカくんもタッチをしにくる。その後は動き回ってパスをもらい、ゴールこそなかったが前半と比べれば僕のプレーはずっとましになった。

それにしても事務所の同僚と、今日いっしょにフットサルをした彼らが、全く違う「匂い」をしていることが僕はショックだった。一年半近くリスボンにいて、こういう人らと触れ合う、スポーツを楽しむ、ということが今までなかったということがショックだった。いかに限られた範囲で、限られた範囲の人と接していたかを痛切に感じた。「クリスティアノ・ロナウドの髪型をした彼ら」というのは一つの分かりやすい例で、僕は彼がいかにヒーローであるかを感じたし、彼らがいかに憧れを抱いているかを感じたのだ。