22 August 2009

CCCB


バルセロナには1日のみの滞在。RCRの図書館、伊東豊雄のホテルのファサード、カタルーニャ音楽堂、CCCBなどを見る。

図書館は昨年の秋に訪れた時は、まだ中庭の部分が完成していなかったが、今回は中庭が完成し、随分と印象が良くなった。中庭を開放したプラン、その中庭へ入って行く黒光りした空間、隅々に様々な読書スペースが設けられているプランなどが良いと思った。

その後、グラシア通りの伊東さんのホテルのファサードを見る。かなり人目を惹くデザインだが、斜め向かいにカサ・ミラがあるせいで、大部分の人はその奇抜なファサードを素通りしていく。鉄板をきれいに曲げてあり、フォトモンタージュの通りに出来上がっているが、逆に言えばフォトモンタージュから得る印象と実際の印象があまり変わらない。新しいファサードと既存の建物の間にできたテラス部分を体験してみたい。

その後、フジイさん、コバナワさんと中華料理屋に行く。もともとは中国人のための中華料理屋だったらしく、久しぶりにパンチの効いた中華料理を食べる。しかも、驚く程安い。昼食後、彼らのオススメのCCCBを訪ねる。中庭の既存の建物をU字型に残し、残る一辺を新しくガラスのファサードを持つボリュームで改修している。そのガラスのファサードとは反対側の一辺より中庭のヘリを沿うようにスロープが地下へ下りて行き、最終的に新築部分にたどり着く。そこにエスカレーター、エレベーターなどの垂直動線が設けられていて、大きな吹き抜け空間になっている。間仕切り可能な、ざっくりとしたコンクリートむきだしの空間が現代文化センターの用途に合っているらしく、常に何かしらのイベントが行われ、賑わっているそうである。

外から見るとガラスのファサードは既存の建物の軒線から30度くらい手前に折れ曲がっている。その折れ曲がった部分には、バルセロナの街並と地中海が映り込む。平らなバルセロナの町、そして中庭という閉じた空間に身を置きながら、町を見渡し、海の存在を再確認するという詩的な仕掛けが施されている。アルベルト・ヴィアプラーナ・イ・エリオ・ピニョンによる設計。