21 August 2009

ペレ・マタ精神病院


レウスはかつて商都として栄えた歴史を持ち、そのためモデルニスモの建築が数多く現存している。レウス郊外にあるペレ・マタ精神病院もその一つである。ドメネク・イ・モンタネールの設計。

かつてカタルーニャの家庭では男子よりも女子の方が重宝された。跡継ぎの一番手は長女であり、男子は何らかの方法で家の外に追い出された。行く先の一つに精神病院があった。豪華なモデルニスモ建築であるペレ・マタ精神病院にはお金持ちの男の子たちが送り込まれた。

「異常だったのは、この病院の中で生活した男の子たちではなく、病院の外にいる人達だったのです」

とガイドの男性は当時の時代背景を説明する。そこでは毎週のようにダンス・パーティが開かれ、お金持ちの若い男性を求めてたくさんの女性が訪ねて来た。

他の病棟もドメネク・イ・モンタネールによる設計だが、現在でも精神病院として使用されているため見学することはできない。壁、床、天井、家具、扉とありとあらゆる部分がデザインされたモデルニスモの建築は、拒食症なポルトガルの現代建築を見飽きた目の保養になった。モデルニスモの建築には、建築が本来持っているべき「楽しさ」の要素がある。