3月にヤスシ君が帰国して以来、同居人なしで暮らしている。一人で住むというのは気楽でいいのだが、同居人がいた方がもちろん経済的には助かる。ということで、インターネットのコミュニティサイトに「リスボンでお部屋貸します」という告知を出してみた。最初はなかなか反応がなかったけれど、5月になってようやく奇特な方が現れた。日本からスペインのアンダルシア地方、モロッコを旅行して、リスボンに行くので短期で泊まらせてほしい。僕にメールをくれたのは、フラメンコダンサーでもあるチエさんだった。
友人とともに3泊していった彼女に、よくもまあ泊まる気になりましたね、と彼女が日本へ帰国する最後の夜にストップで夕食を取りながら聞いてみると、確かにそれもそうですね、と見知らぬ人の家に泊まることをそれほど気にしていなかった模様。その後、彼女が同コミュニティサイトに記したお礼の書き込みのおかげで、それまで全くなかった問い合わせがぼちぼち来るようになった。彼女が文字通り僕の家のトビラに風穴を開けたのである。
以後、サント・アントニオに合わせてスイス人のカリムが滞在した後、先週までパリ在住の日本人写真家、ウネさんが滞在された。彼とは滞在期間中、何度も食事をしたし、僕の若い友人たちとも夕飯を食べ、お酒を飲んだ。そういえば、宿泊者というわけではないが、先月はバルセロナからAnywheredoorのコバナワさん、フジイさんも日本の建築家展の関係でリスボンにいらしていた。その日も例によってストップで夕食をご一緒した。その時もウネさんに参加してもらった。
こんなふうに、告知の効果もあって、先月は様々な出会いがあり、様々な考えに触れることができたのである。