08 February 2009

ヴィエイラ・ダ・シルバ


久しぶりに週末に晴れた。約2ヵ月くらい曇ったり、雨が降ったりの日が続いていてうんざりとしていたけれど、ついに晴れた。来週も天気は良さそうだし、気温も上がって来たし、春の予感。

CCBにマリア・エレナ・ヴィエイラ・ダ・シルバの展覧会を見に行く。リスボン出身のポルトガル系フランス人である彼女は、幼少期をリスボンで過ごし、パリで絵画を本格的に勉強した。第二次世界大戦中はブラジルのサン・パウロで過ごしたものの、生涯の大半をパリで過ごしている。ヴィエイラ・ダ・シルバの絵は地下鉄ラト駅構内にアズレージョとして飾ってあるし、本屋でも彼女の作品集を目にしていたし、ポルトガルに住んでいれば自然とその作品を目にするアーティストである。しかし、じっくりと作品を見たことはなかった。今回もたまたま通りで「終了間近!」と急かすような広告を見たから、じゃあちょっと行ってみるかという気になった。

結果から言えば、彼女の作品がとても気に入った。直線が強さや角度を変えながら、黒と白の四角が大きさを変えながら、画面いっぱいに広がっていて、うねりを感じる。『大惨事』あるいは『戦争』、『図書館』という作品が印象に残る。会場ではグルベンキアン財団による彼女に関するドキュメンタリーが流れていたが、これがとてもおもしろかった。おそらく40分くらいあったと思うけれど、ついつい最後まで見てしまった。そしてそこで彼女は同じく画家のArpad Szenesというハンガリー人と結婚していたということを知る。評論家の解説とともに、パリのアトリエで二人にインタビューをする場面が流れる。夫婦という関係と画家同士としての関係が等しく存在していたことが見て取れる。冒頭のパリの風景に時々リスボンの風景が挟まれる映像は美しく、また切なくもある。ドキュメンタリーが撮影された時点でおそらく彼女はすでに70歳前後であると思われるが、好奇心に満ちた子供のような目をしているのが印象的である。そしてラト駅に飾ってあるもう一つの絵の作者はArpadのものであるということを知る。

(『Ville en extension』Vieira da Silva作 Metropolitano de Lisboaのウェブサイトより)