10 November 2008

ポルトガル人は時間にルーズか

ポルトガル人が日本人に比べて時間にルーズである、というのは、まあ、否定しようのない事実であろう。単に友人と待ち合わせをする場合、事務所でエンジニアと打ち合わせをする場合を考えても、30分くらい遅れるのは普通である。そして、遅れた方はもちろん誤りはするものの、お互いそれほど気にすることはない。むしろ、相手が遅れることを想定して、時間ぴったりに行くことはあまりなく、焦らず、慌てずという心構えの人が多い。

しかし、その事実を覆すようなことが起こった。最近、担当プロジェクトの現場に足を運ぶことが多いが、その際、常に建物の管理人と事前に連絡を取って時間を調整する必要がある。管理人であるマリオさんは、建物よりちょっと離れたところに住んでいるからだ。その日は午前11時に待ち合わせをしていたのだが、僕はたまたま30分以上早く着いてしまって、手持ち無沙汰で周辺をぶらぶらと散歩していた。途中で近くにカフェがあったことを思い出して、そこへ向かうと、何と約15分前に建物の前でマリオさんが待っているのが見える。慌てて挨拶をしに向かう。その日はエンジニアといっしょに現場を見る予定であったが、エンジニアが到着したのは11時少し過ぎ。

それで、先週も同じ時間帯に待ち合わせをして、やはり15分前に到着すると、案の定、マリオさんは建物の前で待っている。その日は僕一人だったが、建物の屋上へ向かうエレベーターの中で、マリオさんは、君は時間厳守だな、と言う。その言葉で、暗にポルトガル人を揶揄しているのが分かる。

しかし、そうやって思い返すと、遅れてくる人、あるいは自分が遅れて到着してしまう場合、相手は気心しれた友人か、普段よく会っている人の場合が多い。つまり遅れてもそれほど問題にならない場合に遅れているという気がする。初めて会う人であれ、遅れてくる人ももちろんたくさんいるが、マリオさんのような人を見ると、ポルトガルとは言え、当然ながら遅刻はすべきでないということが分かる。まあ、まあ、大丈夫、まだ誰も来ていないよ、という考え方を良く思わないポルトガル人もいるのであり、そういう考え方が蔓延してしまったことで、物事が進むスピードもゆっくりになってしまっているんだろうな。