01 November 2008

マカオ料理、ゴア料理

先週水曜日に、クミコさんの知り合いのポルトガル人宅に夕食に招かれた。約束の午後8時より少し遅れて到着する。出迎えてくれたのは、以前マカオに滞在していたバヘイロス夫妻で、日本に滞在したこともあるという。日本人の友人もたくさんいるそうだ。家にはインド、中国、日本などのアジア諸国の食器や民芸品がぎっしりと壁を覆っている。その中に家族の写真もたくさん飾ってあるが、家系にはインド人や中国人、あるいは日本人の血が混ざっている、と医者であるペドロさんが教えてくれた。

妻のグラサさんが振る舞ってくれたのがマカオ料理だった。マカオ料理も、ポルトガル人が大航海時代に世界各地の食文化を取り入れながら発展していったクレオール料理に含まれるそうだ。カボチャ(日本のカボチャとは全く異なる)の中をくりぬいて、中にチョリソ、鶏肉、椎茸、麺(米が原料)を入れて4時間程煮込んだスープ、ターメリック、ココナッツミルクなどで煮込んだ白身魚をご馳走になった。デザートの後に、中国茶も頂く。自分が一体どこにいるのか分からなくなるような体験であった。「ポルトガル人は元来、コスモポリタンであって」という、フェルナンド・ペソアの言葉を思い出す。

久しぶりにクレオール文化に触れたためか、昨日はヤスシ君と事務所の帰りにゴア料理を食べに行く。ゴア料理もクレオール料理と呼ばれるものの一つで、以前、マルティン・モニスにあるレストランで食べたことがあったが、他のインド料理と比べて、落ち着いた味付けである印象を受ける。最もインド料理に詳しいわけでもないので、うまく違いは説明できない。昨日、僕が食べたのはモケカというエビカレーで、ココナッツミルクのたくさん入ったカレーだった。

ポルトガルと世界を裏道でつなぐ印象を与えるクレオール文化というのはとても興味深い、と改めて思う。僕にとっては、これがポルトガル文化の醍醐味である。