先週末は、カステロ・ブランコを経由して、モンサント、ペーニャ・ガルシア、イダーニャ・ア・ヴェーリャとベイラ・バイシャの小さな村々を訪ねてきた。中には本来訪ねるつもりはなかった「村々」も含まれている。モンサントは以前から訪ねてみたい村だったけれど、なかなか重い腰が上がらなかった。まあ、今回もオーノ君に引っ張っていかれた感はあるが。
リスボンから電車で約3時間、カステロ・ブランコの町に到着。カステロ・ブランコはこの地域の中心都市で、交通の要所になっている。ここからバスに乗り換えるために、駅からバス・ターミナルまで歩く。駅から中心の広場までの大通りは街路樹の緑で覆われていて、とても気持ちがいい。広場は最近改修されたらしく、悪くない、といった印象。広場に高低さをうまくつけて、店舗や飲食店をうまく散らばらせている。レストランの屋根全体に花壇が設けられていたり、建物がそれほど主張しない感じがここでは良い。細部に目をやれば粗さも目立つけれど、全体の構成を間違わない事が何よりも重要だと認識(あとでスペイン、カタルーニャの建築家ジョゼ・ルイ・マテオによるものだと分かる)。
カステロ・ブランコからバスで約1時間半、モンサントの村に到着。車窓から遠くにモンサントと思われる村が見えたときには鳥肌が立った。だだっ広い荒野にそびえ立つ岩山。それにへばりつくモンサントの村。バスが村の駐車場に到着すると、そこはたくさんの観光客で賑わっていた。統計によれば最近ではポルトガル人の観光客が増えているとか。外国人観光客の大半はスペイン人。国境近くだから無理もない。悪い予感が的中し、村のホテルは満員でその晩モンサントには泊まれず。ポルトガルのゴールデン・ウィークに当たるような時期に来たのだから仕方がない。近くのペーニャ・ガルシアの宿を電話で予約してようやく村を観光。
やけに蜂が多い。そして観光を始めて30分と経たないうちに蜂に刺されてしまった。いろんな蜂が辺りを飛び回っていて、一体どのタイプが僕を刺したのか分からなかったけれど、幸い特に腫れたりすることはなかった。
モンサントの村はサラザール政権下の1930年代に「最もポルトガルらしい村」という称号を与えられた村だが、この周辺には「ポルトガルの歴史的な村改修プログラム」に指定された村が数多くある。カステロ・メンド、カステロ・ノヴォ、カステロ・ロドリゴ、マリアウヴァ、ソルテーリャ、リナーレシュ、モンサント、イダーニャ・ア・ヴェーリャがそうで、かつてレコンキスタの際にキリスト勢力、イスラム勢力双方にとって重要な軍事拠点となった村々である。その他にも、アウメイダ、トランコーゾ、ベウモンテ、ピオダォン がそれに指定されている。その中でも自然の岩を利用した家並み、風景が特徴的なモンサントは特に有名で、日本のガイドブックにも載っている。その分、どこか観光地ずれしていて、村の規模とは不釣り合いに整備された感じに僕は違和感を感じた。