リスボンにうっかり2度も来てしまった建築関係者におすすめする半日建築ツアー。
まずは、メトロの青線でプラサ・ダ・エスパーニャ駅まで行き、グルベンキアン美術館へ。建物がリスボンにあるポルトガル・モダニズム建築の傑作であるというだけでなく、庭園もかなり立派。展示スペースと外部の庭の関係が素晴らしい。中でも、企画展の展示スペースを抜けたところにあるロビーが何ともスペイシャルな感じです。展示を見終わったらカフェのテラス席で、カフェを片手に庭の樹木に見とれましょう。
青線を南下して、マルケシュ・ポンバル駅で下り、リベルダーデ大通りより東へ2本入った通りにあるサグラード・コラサォン・デ・ジェスス教会を目指します。ここもリスボンの代表的なモダニズム建築で、テオトニア・ペレイラとヌノ・ポルタスの設計です。祭壇上部にあるトップライト、壁に対して斜めに配置されたベンチが特徴的です(他にリスボンのモダニズム建築の代表作としては、インファンテ・サント大通りにある集合住宅が挙げられます)。
さらに青線を南下して(2駅なので歩いても行けます)、レスタウラドーレス駅で降ります。そこからあのジンジーニャで有名なお店に向かいます。次の目的地は、そのお店に向かって左手にある教会です。あなたがジンジーニャの甘さに顔をしかめて、きっと見落としてしまっていたに違いない、その教会です。外見上、何でもなさそうな教会ですが、中はトンデモナイです。
再び青線で、今度は終点のサンタ・アポロニア駅まで行きます。あなたが初めてリスボンを訪れたときにはまだなかった駅です。駅を出ると川沿いに倉庫群が見えます。ここにはFSSMGNアルキテットスによって改修されたカフェDELIDELUXがあります。ここで、半日建築ツアーは終点、おいしいクロワッサンとカフェで締めくくってください。ここはいろんな総菜やハム、チーズ、ワインの揃うシャルクタリアでもありますので、素敵なお土産が見つかるかもしれません。おすすめはドセ・デ・アボボラ、かぼちゃのジャムです。
半日建築ツアーには、実は続きがあります。あなたがお金に余裕のあるリッチ・アルキテクトなら、DELIDELUX隣りのレストラン、ビカ・ド・サパトでディナーなんていうのもいいかもしれません。あのジョン・マルコヴィッチのレストランというだけで、あなたのスノッブな心を満たしてくれるでしょう。バカリャウ・フレシュコを赤ワイン、トリンカデイラでいただきましょう。もうノリノリになってきたら、そのままさらにそのとなりにあるディスコテカ、ルクスで朝まで踊っちゃいましょう。ちなみに、ビカ・ド・サパトもルクスも、FSSMGNアルキテットスの設計、なんていうことはもうあなたには関係ないですね?