11 November 2006

ポルトガルの歴史

最近、『ポルトガルの歴史』という本を読んでいる。デビッド・バーミンガムというイギリス人の著作の邦訳版なのだが、日本から持ってきていたにもかかわらず、今までほとんど読まずにいた。ポルトガルに住むからには、国のおおまかな歴史くらいは知っておいた方がいいんじゃないだろうか。それくらいの軽い気持ちでアマゾンで注文した本だった。

本をねかせること1年半、ようやく僕にもポルトガルの歴史を知りたいという欲求が湧いてきたようだ。ポルトガルがスペインから独立するのにかかった年数に比べれば、まあ大した年数ではない。本の3分の1、17世紀末まで読み終えたところだが、意外だったなと思う部分も結構ある。それだけ僕がポルトガルのことを知らなかったというだけのことではあるけれど。

「レコンキスタ」と呼ばれるキリスト教徒によるイスラム勢力からの国土奪回は、同時にポルトガルとカスティリャの覇権争いでもあり(カスティリャの方が圧倒的に巨大であったが)、ポルトガルのアルガルヴェ征服が両国間の大きな摩擦となった。

1581年のスペインによるポルトガル「併合」は、ポルトガル人にとって必ずしも屈辱的なものではなく、政治の上層部には永年のイベリア半島独立の夢がかなったという思いもかなりあった。それは先のポルトガルのアルガルヴェ征服以来、カスティリャとの国境紛争に終止符が打たれたことを意味したし、ポルトガルの貴族たちは小国ポルトガルに留まらず、カスティリャの華やかな宮廷文化に身を置くことが可能になった。商人はブラジルだけでなく、スペイン領の南米植民地でも活動ができるようになった。あの愛国詩人カモンイスでさえ、自分はスペイン人だと認識した。

貴族やリスボンの中産階級の多くがポルトガルの独立に消極的な中、独立を支援したのはスペインで創設されたイエズス会だった。

大航海時代という繁栄の時代はあったものの、ポルトガルは常にヨーロッパの小国であり、スペインやイギリス、オランダ等の強国との関係に苦労を強いられてきた。海外に目を向け、貿易こそが富を生むと信じ、国内産業の強化という長期的展望が欠けていたために、結果として常に輸入超過に陥っていた。

つづく。