13 March 2006

そしてまた一人リスボンを去る

昨日、先週まで約6ヶ月間アイレス・マテウス事務所で研修をしていたミヤウチくんをサンタ・アポロニア駅まで見送りにいく。同時期に働いていたオオシマは2週間程早くリスボンを発っていたので(もう日本へ到着して日常生活を送っていることと思う)、ミヤウチくん一人を見送る。駅へ行く前に彼が最後の2週間生活していたマヌエルの自宅へ行って不要となった生活用品を見せてもらう。電気スタンド、布団、枕、マット、クッションをありがたく頂いた。

4月にリスボンに来て以来、何人もの友人がリスボンを去って行った。事務所関係ではダリアン、その奥さんのステファニ、レオネル、留学時からいろいろとよくしてもらっていたカティア(4月に来た時から留学時の友人はほとんどリスボンにいなかった)、マテウス事務所凸凹コンビのオオシマくん、ミヤウチくん。仕事の後や週末にいっしょに夜飲みにいってはいろいろと話した仲間たちだった。中でもやはり日本人の2人は心強かったなあ。いっしょにポルトガルの悪口も言えたし。

日曜日の正午、そんなことを考えながら事務所へ行く途中、シアド、バイロ・アルト、サンタ・カタリーナと歩いたのだけれど、今日は天気も良く、空も青く、時々きらりと煌くテージョ川が目に飛び込んできたりして、リスボンもなかなか捨てたもんじゃないな、と心底思った。徐々にリスボンも暖かくなってきていて、去年の4月に来た頃の空気の匂いがし始めている。そして僕は不安でいっぱいだった一年前の自分を思い出していた。去年の10月頃、季節が夏から秋に移る頃、僕は留学に来たばかりのことを思い出した。たぶん今年も10月辺りにその時の感情を思い出すだろう。そうやって不意に昔のことを思い出して、それを糧にして乗り越えて来たんだ、と思った。リスボンで以前あった韓国系オーストラリア人ピーターの話を思い出した。

「情熱はいつでもよみがえる。」