22 March 2006

徹夜明けの休日

コンペが終了した。ミラノのファッション・ミュージアムの国際コンペ。最初に事務所のこれまでの作品のポートフォリオを送り、10の建築事務所に絞られた段階で具体的な提案を出すので、確率は10分の1。

他のプロジェクトを担当している僕は先週木曜日から始まった最終模型作り(模型も提出)を週末から手伝う。金曜日、コンペの進捗状況をからかい半分で見に行くと、イタリア人の名前を持つペドロ・リチャルディから、模型を手伝ってくれ、と頼まれる。それで週末、月曜日、昨日と4日間模型作りを手伝う。事務所にはマケティスタ(模型職人)・パウロがいるので、彼と新人アンドレイアとともに進める。

金曜日の段階では、提案自体は「なかなか面白い」という感じだったので、プレゼン、模型次第だなと感じていたが、プレゼンボード、模型の作業が進むにつれ、みんなの間に「いける」という雰囲気が漂い始める。何しろマケティスタ・パウロの腕は凄い。建築模型ではなく、作品として彼は模型を作っていくので手抜きがなく、こだわりが多い。タイムリミット(飛行機で模型を運ぶのに間に合う時間)残り2時間となっても、彼は模型の敷地の材料の縁を白く塗っている。まだ模型は完成していないにもかかわらず。しかし、おかげでとんでもない、インクレディブルな模型ができた。ジョアン・ルイスも、お弟子さんで今は若手建築家として有名なイネシュ・ロボに模型を見に来させる程気に入っていた。

「シュペッタクラーーー」

の声がその日一日中事務所内で聞かれた。

結果はどうなるだろう?提案の内容自体も事務所のスタイルの新しい解釈という感じがして僕も含め、みんな気にいっているのだけれど。