13 September 2005

コヴィリャの橋プロジェクト

夏休みが明けて2週間が経つが、ようやく本来のチームでの仕事に戻る。夏休み明け最初の1週間は同じチームのペドロ、パウラがまだ休暇中で居なかったため、他のチームの手伝いをしていた。そして先週はブラジルのサン・パウロで行われる展覧会用の模型作り。ポルトガル北部にある竣工後の建築物が対象というちょっと変わった展覧会。展覧会用の模型ということで、「できる限りきれいに」をコンセプトとした「模型のための模型」を作成。で、こういう模型作りには1位指名が来る。手先の器用さに関しては日本人が圧倒的に優れている。

その模型が昨日未明に完成し、今日から再びペドロ、パウラ組と働く。4月にリスボンに着いてから、この事務所でのライフワークとなっているポルトガル北部、コヴィリャという町の橋のプロジェクト。橋は全部で3本あり、6箇所の橋の「ふもと」も設計しなければならない。そして橋の接地部分を少し変更する度にエンジニアと構造について相談。ようやく「できたー」と思っても、ジョアン・ルイスが「ちょっとこういう風にした方がいいんじゃない」というとまた1からとは言わないまでも、10のうち6くらいに戻ってしまう。「またやん直さないといけないじゃねぇか...」とペドロはボスのいないところで時々ぼやいている。でも明らかに賛成できないような指摘があった場合はなんとか頑張ってチームの意見を通す。それをボスが受け入れた時は「やったな、ユタカ」と言ってペドロは子供のように喜ぶ。そうやっている内に徐々に設計も終わりに近づいてきており、今は3本目の橋の付け根の周辺のデザイン。自分の意見も少しは反映されるようになってきたかな。