16 October 2009

ポルトガル、プレーオフ進出を決める

先週末、ポルトガル対ハンガリーの試合をルス・スタジアムに観戦に行く。ワールドカップ予選終盤のポルトガルにとって負けられない重要な一戦。その時点でポルトガルはグループ3位で、相手のハンガリーも同勝ち点で4位につけている。同じ日にグループ1位、2位のデンマークとスウェーデンがコペンハーゲンで対戦。上位4チームに出場の可能性が残っていた。

スタジアムで試合開始を待っていると、先に試合の始まっていたデンマーク-スウェーデン戦の結果が場内にアナウンスされる。デンマークが終盤にゴールを決めて、1-0で勝利。デンマークは1位通過を決め、ポルトガルとプレーオフ出場権を争っていたスウェーデンは痛い敗戦。スウェーデンが勝ってしまうと、ポルトガルにとっては非常に厳しい状況となっていただけに、スタジアムは歓声に沸き、安堵感に包まれる。これで目の前のハンガリー戦に勝てば、残り2試合でポルトガルは逆転でプレーオフに進出するという絶好のチャンスが到来したわけである。

前タームのアウェー2連戦で苦しみながらも勝ち点を積み重ねたポルトガルは、依然として絶好調とは言えないものの、次第に調子を取り戻していた。デンマーク戦では攻め続けながらも先制を許す厳しい展開であったが、ポルトガル国籍を取得したばかりのリエゾンが後半から途中出場して貴重な同点ゴールを決めた。その後もリエゾンには勝ち越しゴールを決めるチャンスが何度かあったが、ポルトガルリーグで2度の得点王に輝いた実力を見せ、文字通り救世主となった。

そしてこの日のホームでのハンガリー戦。先発メンバーがスクリーンに発表され、そのリエゾン、怪我で出場が危ぶまれたロナウド、シマォンなどの名前が呼ばれると大歓声が起きたが、監督カルロス・ケイロスの名前は大ブーイングで迎えられた。苦戦を強いられている原因は主にケイロスの采配の悪さと言われても仕方がなかった。しかし、二人の怪我を抱えた選手の存在がケイロスを救う。ベンチ入りできなかったティアゴに代わって代表初先発したグラスゴー・レンジャースのペドロ・メンデスが中盤のパス回しを潤滑にしたし、試合中怪我の悪化したロナウドに代わって入ったナニは前線でタメを作ることができた。そういったプレーをポルトガル代表は明らかに必要としていたし、それによって攻撃に厚みが増した。今後もロナウドの控えに回る可能性が高いが、ナニは自分がマンチェスターで成長していることを証明した。ロナウドに代わってキャプテンマークを付けたシマォンはデンマーク戦でチャンスを外し続けた汚名撤回とばかりに気持ちの入った2ゴールを決めた。そして代表のストライカー不足の穴を埋めたリエゾンはジャンピング・ヘッドで代表2ゴール目を決め、チームは久しぶりに快勝した。

完全に自信を取り戻した選手達は、予選最終戦を格下マルタ相手に4-0で快勝し、プレーオフ進出を決めた。監督の問題とロナウドが怪我を長引かせてしまったことは気がかりだが、ポルトガルはワールドカップにもう少しで手が届くところまで来ている。