24 January 2009

冬に現れる


今気が付いたけれど、結局、古美術館には行っていない。午後はカメラを持って気の向くままに市内を散歩する。久しぶりにリスボンの町をゆっくりと歩く。リベルダーデ通りをマルケシュ・ポンバルからシアドの方へ歩いているときに、担当プロジェクトの前を通りかかる。そしてあることに気が付く。

去年の夏に、確認申請の際に両隣の建物を含めたファサードの写真を撮る必要があったけれど、どうやっても思うような写真が撮れなかった。なぜなら建物のすぐ前には背の高い街路樹があり、どこからカメラを構えても、両隣はおろか、改修予定の建物のファサードすらうまく写真に収めることができなかった。

ところが今日は建物のファサードが見える。今日は大通りを挟んで反対側を歩いていたのだけれど、建物が街路樹の向こう側に透けて見えるのだ。夏には生い茂っていた葉がすっかり落ちてしまって、その全貌を通りに現している。だから、てっぺんの増築部分も葉の茂った夏には姿を消し、冬にその姿を現すようになるんだろうな。都心にありながら、四季の変化にも密接にからんだおもしろいプロジェクトになりそう、などと一人で盛り上がってしまった。