湯沸かし器が故障してしまって、この1週間、お湯が使えないでいる。以前から調子は悪く、まあ、湯沸かし器が「本格的」に故障してしまった、と言った方が正確だろう。考えてみれば、ここへ引っ越して来て以来、常にお湯の問題がつきまとっている。以前にも、湯沸かし器を取り替えたことがあった。今回完全に動かなくなった湯沸かし器も、常にだましだまし使ってきた感はある。
修理はすでに頼んであるが、まあすんなりとは進まないのがポルトガルであって、もはや僕はそのことでとやかく言う気すら失っている。しかし、今までうまくやれば何とか湯沸かし器にスイッチを入れることができていたのが、完全に駄目だと分かると、水風呂だって悪くない、と考え直すまでになった。大西洋の水よりも、やや冷たいけれど、何とか我慢できる。しかも浴び終わった後に、服を着ると、ほんわり服が暖かく感じられ、体の内部からも体温が暖かく感じられ、何だ冷たかったのは表面だけか、みたいな安心感に包まれるのは、なかなか悪くない。そこにリスボンの昼間の生温い風が部屋に入り込んで来て、ちょっとアイスクリームでも食べようか、という気にもなる。そして実際にアイスクリームを口にすると、それは確かな癒しに感じられる。
19 July 2008
水風呂
17 July 2008
ボソボソ役人の正体
担当しているリベルダーデ大通り沿いの改修プロジェクトの建築許可申請にリスボン市役所へ行く。整理券を取って、ベンチに座って待つ。しばらくして、自分の番号が呼ばれて市役所の建築家に面会する。ちょっとお腹の出た、40前後の生真面目そうな彼のデスクの前に腰を下ろすと、
「以前、ここに来たことありますよね。」
とぼそっと言われる。あまりにも小声だったので、僕は一瞬聞き直して、
「いや、ないです。」
と答える。実際には4年前くらいに論文の資料集めに訪れたことがあったけれど、そんなに昔のことを覚えているはずもないだろうと思って、そう答える。彼は僕が持って来た書類に目を通しながら、「カヒーリョ・ダ・グラサですか」とまたぼそっとつぶやく。そしてにやりとして、
「P-06のパーティにいましたか?」
と聞かれて、僕は、「あっ」と心の中で叫ぶ。P-06というのは、うちの事務所と恊働しているグラフィック・デザイナーの事務所だ。でもなぜ彼がこんなところに、、、。僕の頭の中は混乱する。なぜなら彼はポルトガルのテレビやラジオで活躍する有名なディスクジョッキーだからだ。パーティの日、彼はディスクジョッキーとして音楽をかけたり、得意のトークでパーティを盛り上げていた。まさか本業が市役所の都市計画課に勤務する建築家とは想像できるはずがない。
しかし、彼はラジオのパーソナリティらしくなく、黙々と書類や図面に目を通す。
「解体予定の建物のコンパートメントにも、部屋名と面積を記してください。プロジェクトの説明文に「商業用途建物専用地区」という単語を入れておいてください。DWFファイルは確認したところ問題ありません。あと、全ての書類にアーキテクトのサインが必要です。」
彼はまさに役人らしく、冷静に問題点を指摘して、書類を僕に返す。今日は書類は受理されなかったわけだけれど、何とも不思議な感じのする面会だった。
15 July 2008
背中がヒリヒリ
2年ぶりのメコのビーチ。前回同様、ゴンサロに連れて行ってもらう。今回はオーノ・カップルもいっしょ。1年前と思っていたら、もう2年前か、とゴンサロと感慨にふける。海に入って5メートル程で急に深くなるため、大きな波がザブンザブンと次々にやってくる。そこで波と戯れているのは何とも楽しい。波に襲われたり、波に突撃したりと、無邪気な時間を過ごす。そして、無邪気に肌を焼いたりしたために、未だに背中がヒリヒリする。
13 July 2008
マイラ・アンドラーデのコンサートへ行く

リスボン近郊のオエイラスで行われたマイラ・アンドラーデのコンサートへ行く。会場は、以前エクスナレッジのアズレージョ取材で同行したジャルディン・マルケシュ・ポンバル(正確には、ジャルディン・ド・パラシオ・ド・マルケシュ・デ・ポンバル)。オエイラスは気品のある町で、特にこの庭園の近くは木が生い茂り、緑に囲まれた、落ち着いた雰囲気を漂わせている。庭園は一般に公開されており、取材に訪れた時も家族連れやカップルの憩いの場所となっていた。
そして最近では毎年この時期に「COOLJAZZFEST」という名のイベントがここで開催されている。町にある財産をうまく利用したイベントで、共感できる。カスカイスやマフラとの共同イベントで、それらの町でも同種の場所を利用してコンサートが行われおり、アーティストも、マイラ・アンドラーデやカエタノ・ヴェローゾ、ポルトガルのアナ・モウラなど、国内外の人気あるアーティストを招待している。
それで、肝心のマイラ・アンドラーデは、飛行機が遅れたために予定より2時間遅れの到着となり、コンサートが始まったのは午前0時を回っていた。夏とは言え、夜はかなり涼しいため、半袖では寒い。腕をさすりながらコンサートは約1時間半で、あっという間に終了。事務所のiTunesで聞き慣れた声よりも、太い、低い声だったのが印象的だった。
11 July 2008
走れない
仕事の後に久々にサッカーをやったけれど、10分もしないうちに息切れ。今日ばかりはゴールキーパーを志願したほどだった。相手チームに入ったゴンサロに振り切られて、頑張って追いつこうとしたら足がつりそうになった。もっとも最初の元気だったころに一度ゴンサロをドリブルで振り切ったので、引き分けかな。でも、連続ゴール記録が途切れてしまった。
家に帰ってシャワーを浴びて、ユーロの試合を観戦して以来、すっかりお馴染みとなった近くのレストランに食事に行く。だいたいサッカーをやった後は、肉が食べたくなる。それにビールを2杯程飲むと、再び体にエネルギーが満たされていく感じがして、なかなか良い。このレストランの発見は、僕の生活にとって大きい。食事そのものは、特別ではないけれど、夜遅くまで賑わっているのがいい。今日気が付いたけれど、それに引っ張られるように、隣の散髪屋では夜12時近くまでおじいさんが客を散髪している。今まで住んだ所に比べると、やはり圧倒的に住み心地がいい。そういえば、インテンデンテの夜遅くまでやっているパキスタン人の店も懐かしい。彼らには夕飯を御馳走になったこともあった。まあ、そういうのはそういうので悪くなかったな。