09 April 2007

ピナ・バウシュを見て来た

今日はピナ・バウシュの公演「FOR THE CHILDREN OF YESTERDAY, TODAY AND TOMORROW」を見て来た。昨日は久しぶりに飲みすぎてしまい、午後4時からの公演に行くのもやっとの体調だったけれど、何とか胃腸薬でごまかす。ゴンサロとエキスポのカモンイシュ劇場で午後3時半に会う。

僕がピナ・バウシュを知ったのは、ペドロ・アルモドバルの「アブレ・コン・エリャ」の映画の中だったけれど、映画のワンシーンであったにもかかわらずかなり印象に残っていた(この映画にはブラジル人ギタリストのモレレンバウムの演奏シーンも出ていたような気がするが、音楽、映像ともに素晴らしい映画だ)。でも、実際に劇場でコンテンポラリー・ダンスを見たのはこれが初めてだった。

タイトルに「子供」とあるとおり、「無邪気さ」のようなものが表現されていて、会場も時折笑いに包まれていた。僕が初めて見たコンテンポラリー・ダンスの公演は、約3時間続いたけれど、見ているうちにダンサーの体の動きがもはや彼らの意思ではなく、肉体だけが勝手に動いているように見えてくる。全部で15名ほどのダンサーには長身のドイツ人男性もいれば、少女のようなダンサーもいるし、細身の女性もいれば、豊満な女性もいる。彼らが精一杯体を振り回せば振り回すほど、腕や足の長さ、体の柔軟さ(もちろん体が柔軟な人ばかりだけれど)、髪の毛の質など、肉体の物質的な特性だけが浮かび上がってくる。そしてその「不揃いさ」がそれぞれの肉体の美しさを際立たせる。人間の体というのはとても生々しいものだ。たとえその中にどんな感情や思考があるにせよ。その考えが僕の心を打った。