長らく続けていた部屋探しにも決着をつけ、今月からようやくこのマドリードで落ち着いて生活ができるようになった。まだまだ足りないものもあるけれど、少しずつ揃えていこうと思う。ラティーナ地区にある狭いワンルームタイプのアパートだけど、きれいに改修された、インターネット付き物件というのが決め手だった。
ラティーナ地区には、有名なカバ・バッハ通りという飲屋街があって、夜はかなり賑わうのだけれど、僕の住んでいる通りはややはずれにあり、静かな場所である。しかも、アパートは街区の内側、インテリオルであり、落ち着いている。インテリオルは日当りが悪いのが難点だが、その分家賃も安く、ラティーナ地区のように夜に賑わう場所ではかえって好都合であったりするわけである。
風呂場の排水溝のフタを開けると、長い髪の毛がごっそりとついてきたりして、まだまだマイホーム感はないけれど、どうにかこうにかマドリードでの新しい生活の幕開けである。