地震が起きてから、2週間が経過した。日本のことが気になり、ついつい仕事中もインターネットを見てしまう。11日の金曜日早朝に津波の映像に衝撃を受け、少しずつ明らかになっていく被災状況に愕然となる。週末にインターネットでNHKの中継を見ていると、地震専門の大学教授が恐ろしい事実に気が付く。地盤が沈下している、この水たまりは半永久的に続く、と。そして、原発。海外と国内のメディアの温度差に象徴的に見られるように様々な情報が錯綜する。外国人は国外に避難し、国内でも西日本に自主避難する人がいる。さらに、その言葉自体が時期尚早な「風評被害」。放射線汚染はまだ始まったばかりであるにも関わらず、だ。あらゆる情報が錯綜して、結局は「日本を信じる」としか言いようがない。
原発のことをいろいろと調べてみる。
日本とほぼ同数の58基の原発が稼働するフランスの全電力に占める原発の割合は75%。日本は約30%。先進国と言われる国々では平均で20%前後。フランスはさておき、日本の原発の数もやや大袈裟であるし、いくらか減らすことができるように思われる。
「原発銀座」とか「原発ジプシー」という言葉にも遭遇する。今、危険を省みず困難な問題に立ち向かっている原発作業員や自衛隊、消防士は、誰もが認める勇気のある「ヒーロー」だけれど、平時に定期点検に向かう原発作業員のことを僕らは一体、何と呼べばいいのだろう?
学生時代に読んだシューマッハーの「スモール・イズ・ビューティフル」が脳裏をよぎる。石油危機で注目されたこの本は、今、この原発危機で再度注目されるだろう。それはもはや理想論ではなく、電力不足を前に「節電」を迫られている日本において、現実的な解決の手がかりなのだ。