グラナダからセビーリャを経由して、カディスを訪ねたあと、帰りにヘレス・デ・ラ・フロンテーラを訪ねる。セビーリャまで電車の切符を買ってしまっていたけれど、最後の最後まで悩んで、ヘレスの駅に到着する直前で慌てて席を立ち、荷物を棚から下ろして下車する。シェリーの原産地ということで、常々気になっていた町である。ヘレスの町を歩いていると、並木道とヤシの木の植えられた広場に幾度となく出会う。それに魅了され、いつまでもただぶらぶらと町を歩く。夏になればこの木陰でのどを潤す人々でいっぱいになるのだろうと想像する。そしてバルに入ってシェリーを味わいながら、やはり夏を想像してしまう。