来月14日より、リスボン建築トリエンナーレが始まる。2007年の第1回に続き、今回は第2回。主な会場は、CCB内のMuseu Colecção Berardo、ポルトガルの電力会社EDP財団所有のMuseu da Electricidadeで、いずれもリスボンのテージョ川沿いのベレン地区である。それ以外にも、市中心部のシアド美術館、カスカイス市のカスカイス文化センターも会場となっている。
今回のテーマは、「LET'S TALK ABOUT HOUSES」(ちなみに前回は、「URBAN VOIDS」)。展示の中心は、世界各地の様々な地域、コンテクストの上に成り立つ住居についての考察を試みる展示「LET'S TALK ABOUT HOUSES: BETWEEN NORTH AND SOUTH」(Museu Colecção Berardo)である。1956年のアリソン・アンド・ピーター・スミッソンによるプロジェクト、1974年から始まるポルトガルの革命直後の住宅不足解消を目的としたSAALの試みという二つの過去を参照する展示を軸に、ポルトガル、スイス、ノルディック諸国、アフリカ-ブラジルという4つの国・地域の住居に関する展示を行う。
それ以外に、Museu da Electricidadeでは、「ポルトガル社会のリアリティ」という位置づけでリスボン郊外のコヴァ・ダ・モウラをテーマとした学生コンペと、ポルトガルの旧植民地アンゴラの首都ルアンダにおけるシングル・ファミリー向け住宅を設計する国際コンペそれぞれの優秀作品が展示される予定である。
前回のような各国の展示ブースを設けるという方針はなくなり、よりコンパクトに、ポルトガルの建築展ならではの展示企画という印象を受ける。ポルトガル以外では、アフリカ諸国やブラジルといったポルトガルと密接な関係にある国々に対して、ヨーロッパ諸国以上に焦点が当てられていることからもその意図が伺われる。