08 November 2009

ムゼウ・デ・ファロル・デ・サンタ・マルタ


パウラ・レゴ美術館から海岸に向かって5分程歩いたところにサンタ・マルタ灯台博物館がある。アイレス・マテウスによる(一見)ささやかなインターベンションであるが、この美術館を僕はとても気に入った。灯台とそこに隣接する既存の建物は淡いブルーのアズレージョで覆われ、海岸要塞跡の城郭に呼応するような形で、新たに白い不定形な箱がランダムに配置されている。灯台、城郭という既存のコンテクストに対して前者に対してはアズレージョという素材で、後者に対しては形体でそれぞれ応答している点がおもしろい。結果としてそこに生み出された残余空間としてのオープンスペースも居心地の良い空間になっている。ポルトガルにある灯台の歴史やその仕組みが博物館のテーマであるが、そこに展示された光を遠くまで放射させるための巨大なレンズは一見の価値がある。巨大な人造人間のために作られた目の玉のようである。