キッチンを掃除し、シーツを洗濯する。洗濯が終わり、シーツをベランダに吊るしながら、そう言えば、今週、カルチャージェストで日本の映画をやっていたな、と思い出し、風の強い午後、シーツに10個くらいの洗濯バサミをつけて映画を見に行くことにする。
「エロスと反逆 ―60年代の日本の新しい映画―」と銘打たれたカルチャージェストにおける日本映画週間。そこで僕は鈴木清順監督の『肉体の門』を見る。当時としてはかなり衝撃的だったのだろうな、と思いながら見る。登場人物の妄想がシーンに重なってくるのは面白い。一番衝撃的だったのは生きた牛が解体される場面である。
その後、フェイラ・ド・リブロに行く。天気のいい日、本を物色する人々で賑わう。周辺の公園ではピクニックをしているカップルや家族連れがたくさんいる。さっき見て来た映画とは正反対のような、平和な週末の場面が目の前で繰り広げられている。露店で買った揚げパンを食べながら、本を見て回る。何冊か、買おうかどうか迷った本があったけれど、意外と高かったので買わずに帰る。
帰宅途中、自宅付近のシャルクタリアでニーザのチーズと生ハム、そしてパンを買って帰る。開けて何日か放っておいた赤ワインのことを思い出したから。ニーザのチーズはうまい。こんなうまいチーズの出来るところはきっといい所に違いない、と思いながら赤ワインを飲み干す。