27 March 2009

アモレイラスの住宅


事務所が設計した「アモレイラスの住宅」を所員とともに見学。この地域は、アモレイラス・ショッピングセンターとともに近年発展してきた住宅地である。近くには、その一辺が水道橋によって区切られたアモレイラス公園があり、地下鉄のラト駅にも近く、その住環境の良さはリスボンの中でも上位に位置すると言って良いだろう。僕の印象では、このアモレイラス、カステロ、エストレーラ、そしてカンポ・デ・オウリケが、都市の賑わい、眺望、治安の良さなどの観点から言って良い住環境と言えるのではないかと思う。

「アモレイラスの住宅」は幅2メートル、高さ3メートルのガラス戸で構成された全面ガラス張りの外観が特徴である。透明、半透明、白色の3種類のパターンのガラスで構成されている。間取りはT0、T1であり、単身者、あるいはカップル向けの都市型の住居形式である。ガラスの内側にはストールやカーテンがあるものの、それを開けると外から部屋は完全に丸見えになる。その点はそういう住まい方に興味を持つ人もいると予測されるので、それほど問題ではないだろう。

しかし、問題は室内環境である。いまだ3月だというのに、室内には熱気がこもっている。もちろん、冷暖房装置は備わっているが、ガラス張りに面したリビングは5月くらいから冷房をつける必要がありそうである。リスボンの強い日差しを考えると、その点は大きなマイナス・ポイントである。外観はカッコイイが、南欧向けの住宅ではないな、というのが正直な感想。