先週末にピナ・バウシュの公演「Nefes」を観に行く。チケットが売り切れてしまっていて、あきらめていたのだけれど、運良く同僚のラケルから譲ってもらった。昼寝をしていたらうっかり寝過ごしそうになったけれど、タクシーでCCBまで向かう。
いつの間にかしみ出してきた水が大きな円を描いて、それを中心にダンサーが踊る。インターヴァルの直前には水はもう溢れんばかりになり、天井から大量の水が降り注ぐ。彼らの動きで僕がハッとさせられるのは、細かい手首や指の動きであったりする。それはコンテンポラリー・ダンスというものを初めて見るまで想像できなかった部分だ。ラストの座ったままの「行進」は、何とも言えず平和的であった。でも正直に言えば、前回初めて見たとき程、心がワクワクすることはなかった。
ところで、このCCBの建築はなかなか良い。それまで特に注目することはなかったけれど、インターヴァルの時に観客がホワイエにわっと広がっていった瞬間に、この建築の最高潮を見た気がする。レベル差のあるホワイエに観客が散り、外部にはみ出してくる。地上階と2階から出て来た観客が外部の階段で一つに結ばれている。マッシブなボリュームでで囲まれた空間は外部でありながら、安心感のある場所だ。そこで人々は夜空を眺めたり、タバコを吸ったり、おしゃべりをしたりして頭を休ませる。建物から出ているのだけれど、未だ建物に属している、というような感じはなかなかいい。ポルトガル・パヴィリオンにもそれと似た感じがある。