28 April 2008

青の劇場


今週末、ポルトガルは25日が革命記念日だったので3連休。多くのポルトガル人が各地に旅に出向く中、僕はオーノ君と対岸の町、アルマダと、「ポルトガルで最もポルトガルらしい村」と言われて70年くらい経つ村モンサントを旅した。

アルマダへ行った目的は、クリスト・レイでも、おいしいマリスコのレストランでもなく、「ポルトガルで最も青い劇場」、アルマダ市民劇場を見学すること。この建物はポルトガル建築界きっての理論家と言われるマヌエル・グラサ・ディアスの設計。理論家としての評判は良いが、建築作品はなかなか「ユニーク」なものが多い彼だが、この劇場についてはさすがと言わざるを得ない。むしろ、僕がポルトガルで見た建築物の中では、かなり上位にランクインされる。

「2G」で紹介されていたこの劇場は写真でみるだけでは、その建物の持つ雰囲気を掴みにくいが、これがアルマダのちょっとさびれた町の雰囲気にうまく合致している。表層はさわやかな水色のモザイクタイルで覆われ、そのヴォリュームの大きさの割には、とても親密な感じを与えている。その建物を彩るケバケバしいサインもチャーミングに感じられる。「青の劇場」はその場所の持つ空気をしっかり読んだ建築作品だ。