大いに飲み、食べ、話した週末だった。
金曜日はホリエくんとプラサ・ダ・アレグリア近くのインド料理屋で近況報告。最近、比較的平和なカヒーリョ事務所に比べて、ホリエくんはコンペ提出間際で忙しそうだ。その後、その数軒隣にある、前から気になっていたワインバーへ行く。隣のちょっと下品なイギリス人女性が気になったが、グラス1杯の値段もそれほど高くなく、静かで落ち着ける場所だ。バイロ・アルトの飲み屋ではなかなか落ち着いて話すという環境を見つけるのが大変だが、そういう意味でここはなかなか良かった。
土曜日は同僚フレデリコの家でスシパーティ。僕にとってスシパーティを開くのは、ポルトガル通算8度目である。10人前を想定して用意した材料も、結局参加者は6人で、残飯が大量に発生するのでは、と心配だった。フレデリコはスイスのモントルーで育ったポルトガル人であるが、モントルーはジャズ・フェスティバルで有名なところだ。そのDVDを見たり、ユーロの予選を見たり、ワールドカップ・ラグビーの準決勝を見たりしながら、約4時間をかけてほとんど食べ尽くしてしまった。サッカーのポルトガル代表は勝利を収め、前節までの危機を抜け出し、本選出場に大きく近づいた。ラグビーのワールドカップと言えば、今回ポルトガルが初出場を果たし話題になった。結果はグループリーグで日本並の大敗を喫しているが、出場国中唯一のアマチュア選手によるチーム構成であった。
日曜日はシザ事務所のイトウさんに誘われてテアトロ・カモンイシュにコンテンポラリー・ダンスを見に行く。イトウさんの知り合いの日本人の方がその公演に参加しているらしい。これが僕にとって通算2度目のコンテンポラリー・ダンスの公演であったけれど、ますます興味が湧いてきた。公演後、ダンサーのカナエさんやその友人の方々とともにフィゲイラ広場近くの中華料理屋に行く。こんなにおいしい中華料理屋がリスボンにもあったのかと驚く。コンテンポラリー・ダンス界におけるポルトガルの位置付けに興味をもっていろいろと質問する。ヨーロッパではオランダやベルギーのカンパニーがリードしているらしい。日本ではヨーロッパと違ってダンスで食べていくのはかなり難しいらしい。ダンスという、建築とは別の世界でも、リスボンに数人の日本人の方々が活動されていて、彼女達の世界、コミュニティのようなものがあるのがおもしろい。彼女達にとっても僕らの存在について同様の感想を持ったようだ。その後、今日初めて話したヤストさん(リスボンの某日本料理店の店員さんなので、会ったのは初めてではない)がよく行くというアヴェニーダの隠れ家的バーに行く。「隠れ家的」であるだけあって、僕はその通りをほぼ毎日のように通っているにも関わらず知らなかったのだけれど、ゆったりまったりと飲める感じで良い。
久しぶりにリラックスして食事をし、話しをしたというだけでなく、新たな友人、居場所を見つけた貴重な週末だった。