12 December 2006

グラサの集合住宅コンペ終了

最近、全てのコンペに参加させられていて、労働時間が「アトリエ勤務」らしくなってきた。しかも、担当プロジェクトもあるから、とっても大変。

ゴンサロ担当のグラサのコンペを今日提出した。一番若く、人のいいゴンサロにとって、今回はかなりストレスフルだったに違いない。先輩方が無責任な「ちょっかい」をいっぱい出してくるもんだから、プロジェクトがなかなか進まなかったようだ。それで提出が締め切りから2時間程遅れてしまった(たぶん、問題ない)。提案自体はとても良かったと思う。グラサの勾配のある敷地に集合住宅を提案するコンペだったが、エントランスのある道路レベルをオープンにして、その上部に住居のボリューム、地下にも斜面を利用して眺めの確保された住居を配置した、とてもシンプルなコンセプトがうまく表現されたと思う。いつもぎりぎりにならないと完成されない模型も、いつも通り最終的にはいい模型ができていた。ご丁寧にも、「まだ提出されないんですか?」という電話が事務所にかかってきていたようだけれど、遅れたとは言え、勝てるんじゃないかな。

僕はファサードのドローイングを任されていたんだけど、歴史地区に馴染むような、クラシックなファサードをデザイン(調整と言っても良い)するというのはかなり難しい作業だなと思った。図面を壁に貼って、同僚とともに腕を組んで、じぃっと図面を眺める。何度も何度も開口部のいろんなプロポーションを試していると、ある時点で、

「あ、いいかも」

とみんなが納得するような、「合意」のとれる案が出てくる。ポルトガル人にとっても難しいとは言え、やはりジョアン・ルイスの一言(「ここをちょっと狭めて」のような)で急にファサードのバランスがとれはじめたのには、さすがだと思った。