08 September 2006

オビエド



オビエドに到着したときの印象がなぜ悪かったかと言うと、バスターミナルや鉄道駅付近のいわゆる駅前再開発のせいだ。駅舎自体はいかにも地方都市のそれで派手さはないが、よく見れば屋根の鉄骨のストラクチャーや、屋根の上を公園としている点など興味深いところはある。しかしそのすぐそばに隣接して立てられた高層ホテルや集合住宅がどうもぱっとしない。はやりの建築を平均したような建物群だ。スペインではときどきこういう建物に遭遇する。お金がある故に変化は激しいが、取り返しのつかないミスを犯している場合もある。(ポルトガルはその逆で、お金がないのでプロジェクトがプロジェクトのまま終わってしまうことが多々あるが、同時に取り返しがつかなくなったということも少ない、と思う)。

オビエドの旧市街地はほんの少ししか残っていないが、一部は世界遺産にも登録されているようである。確かにその地区の雰囲気はかなり特異なものであり、スペインの他の都市では見ることのできないものだが、正直、渋い選択だな、と思う。建物の色とりどりな感じはポルトガルの街並みを思わせるが、全体的に色が暗めである。カテドラル周辺の建物に使われている石材は何のだろうか、他ではあまり見ない茶系の色をしている。この石材はオビエド周辺のいわゆるアストゥリアス建築と呼ばれている建物群(これらのいくつかも世界遺産)にも見られる。

旧市街地と鉄道駅を結ぶウリア通りを軸として新市街地が形成されているが、そこにはそれほど魅力はない。ごくわずかに残った旧市街地に魅力が集まっているが、オビエド全体としてはなかなかいい街だという印象を結果的に持った。