09 July 2006

ロナウドへのブーイング

3位決定戦を見た。両チームとも主力が出場しなかったり、選手のモチベーションも上がりにくいだろうから特に見る必要もないかな、と思ったけれど見ることにした。w杯の常連でもないポルトガルがベスト4まで勝ち上がり、せっかく手にした3位決定戦なので見ようと思った。

試合は3-1でドイツが勝ったが、ポルトガルはこれまで通り中盤でパスを回して試合を組み立て、観戦に来ていた人を楽しませた。同時にここまで隠れていた欠点が噴出し、結果に結びついた試合でもあった。中盤にいい選手が集まる一方、守備陣とワントップに問題があるなと常々思っていた。予選リーグのイラン戦においてさえも守備陣が完全にマークを外され、あわや、となる場面があった。メキシコ戦も勝つには勝ったが、その気になれば点は取れるぞという攻撃をメキシコにされた。オランダ戦は言うに及ばず猛攻を受けた。イングランド戦は相手の主力2人が交代、あるいは退場するという幸運に恵まれ、イングランドは攻める術を持たなかった。ポルトガルはパスを回して、ボールをキープして攻めることで相手の攻撃の機会を減らしていたといえる。だからこそ、パウレタの絶不調が響き、苦しい試合が続き、フランスにも敗れた。ほとんど出場機会のなかったヌノ・ゴメスが3点をリードされたドイツ戦の後半終了間際に豪快なヘディングシュートを決めたものの、今回のポルトガル代表には切り札となるストライカーがいなかった。こんな状況だからよくここまで勝ち上がってきたと思う。

ところで試合中ロナウドへのブーイングの酷さが気にかかった。フランス戦でもかなりのブーイングを受けていたが、もちろんその原因はイングランド戦のルーニーの退場に発端がある。ルーニーの退場後ベンチへ向かってウインクをしたのは確かに必要がなかっただろうけれど、股間を意図的に踏みつけて相手を続行不能にしようとするような選手は退場して当然だ。しかも同じ手に何度も乗ってしまうイングランドはそれを反省すべきに決まっている。だからこそロナウドには、ポルトガルをただの海水浴場としか思っていない人々の鼻をへし折るゴールを決めてほしかった。