08 November 2005

さすらいのストライカー、か?

僕はロシオ広場から北へ徒歩15分くらいのところにあるインテンデンテという地区に住んでいるのだけれど、そこはポルトガル人はあまり好まない移民が多く住む地区。まさかこんな所に日本人が住んでいると思われていないので、かえって観光地より安全ではないかと思う。おそらく中国人と思われているのではないかと思う。そんな僕も日本人を中国人と勘違いしていた。

家の近くにパキスタン人が経営する日用品店がある。そこは夜12時まで開いていることもあって、日本のコンビニのような感覚で時々利用している店。店員とはすっかり顔見知りで、立ち話したり、時にはカレーをごちそうになったこともあった。その店の前に時々中国人風の人が座っているのを見かけていたのだけれども、先日、店の人が「オウトロ・ジャポネシュ」と言って僕に紹介してきた。話してみると、彼はサッカー選手で、今はベンフィカの練習生だという。以前はブラジルで2年、スペインで2年プレーしていた彼は、来年1月にはポルトに行って、ポルトにあるどこかの2部チームでプレーすることになるそうだ。タカさんという彼は、僕と同じくらいか、年下くらいの感じなのだが、よくこの店に飲みに来るらしい。といっても、ここ、飲み屋じゃないのだけれど。話している最中も「セルヴェっジャ、セルヴェっジャ」とつぶやきながら店の冷蔵庫からビールを取り出して飲んでいた。それは、いわゆる、酔っぱらいのようである。お腹もちょっとふっくらしているし。しかし、2部リーグとは言え、海外でプレーしている彼はなかなかの才能の持ち主なんだろう。そのふっくらとした体から放たれるシュートが意外と強烈なのかもしれない。あるいはそのお腹が功を奏して泥臭いゴールを生み出すのかもしれない。あるいは酔っ払った勢いでしつこくからめる中盤のキープレーヤーかもしれない。でも、ビールよりもゴールだ、タカさん。