06 November 2005

4度目のスシパーティ

日本食と言えば、「スシ」というのがこちらの人の認識。しかも、「スシ」は「にぎり寿司」と「巻き寿司」であって、「ちらし寿司」ではない。彼らにとって、それは「スシ」ではないのだ。

昨日が4度目のスシパーティ。随分と手馴れたものだ。最初は生魚の鮮度が心配だったが、同僚の強い要望で第一回目のスシパーティをやって以来、今では心配していない。米酢から寿司酢をつくるのもやってみれば意外と簡単であることが分かる。日本人である故、味を覚えているから失敗することはまずない。スシパーティのいいところは、みんなでいっしょに楽しみながら作れるということ。生魚、海苔、しょうゆ、寿司酢、ワサビ、と彼らにとって異国情緒たっぷりなのだ。

昨日はエリーゼのお別れパーティでもあった。フランス人の彼女とは僕が留学している時に出会った。彼女はリスボンの設計事務所で働いていて、留学時を含めると3年リスボンに滞在したことになる。来週から2ヶ月間、両親の住むフランスの海外県マルティニックというカリブの島で休養し、その後パリで働く場所を探すそう。彼女にはこれまでとてもお世話になっている。今僕が住んでいるところを紹介してくれたのが彼女であった(彼女のボーイフレンドであるアントニオが僕のルームメイト)。エリーゼの紹介がなかったら、リスボンでの生活はこんなに充実したものにはなっていなかっただろう。だから、エリーゼには本当に感謝なのだ。

今日、エリーゼが自分の荷物を整理していると、「ユタカ!こっちに来て!」と呼ばれる。何だろうと思いながら行くと、

「これは両親がモロッコを旅行したときに買ってきたクローゼットなの。もしほしかったらあなたにあげるわよ。オリーブオイルを塗れば、またきれいになるわ。」

それは植物の枝で丁寧に編まれた箱型のクローゼットだった。僕は喜んでその提案を受け入れた。これで彼女とは何かすっきりと別れることができた気がした。というのも、彼女は割と気が強く、ズバズバと思ったことを口にする性格なので、ムッとすることも時々あり、二人の間に微妙な空気があることもあったからだ。昨日、今日と彼女といろいろな話をすることができて本当に良かった。

「これはあなたの部屋の真っ白な壁によく似合うわ。」