01 September 2005

28番線

夏休みが明けたばかりの今週、事務所内は特にストレスなく、とても平和的に時間が過ぎている。事務所にはいわゆるボスと呼べる人が3人いるけれど、その3人がまだ休暇中だからというのもある。さすがにいろいろと責任のある立場なので、休暇中といってもたまに打ち合わせに来たりもしているけれど、用事が済むとすぐに帰ってしまうので、やはり平和だ。

今日は事務所からエレクトリコ、市電で家まで帰ってみた。いつもは地下鉄で通勤しているが、実は市電でも帰ることができることに最近気が付いた。かなり遠回りするのだけれども。

この市電がリスボンを訪れる人のお目当てだと言っても過言ではない。黄色に塗られたエレクトリコで、丘を上り、旧市街地の幅の狭い道を建物すれすれに駆け抜ける、これがリスボン滞在のハイライトになるのは間違いない。中でも28番線がおすすめである。これに乗れば、リスボン旧市街地の主な名所を一巡りできる。

久しぶりにこの28番線に乗ってみたが、狭い坂道を上ったり下ったりしながら、時々広場に出たり、テージョ川が見えたり、眺めのいい丘の上に出たりとリスボンのいいとこずくめである。所々で途中下車して景色を眺めたり、サン・ジョルジェ城まで歩いてみたりすれば、旧市街地を満喫できると思う。今日はリスボンを見直す良い機会になった。ただ、毎日通勤に使うのはちょっと無理だな。いつもは20分の通勤が1時間近くかかってしまった。ちょっとした気分転換には良い。

でも、このエレクトリコ、たまーに誰かが線路にはみ出して駐車してると全く機能しない。そんなとても運の悪い状況に遭遇してしまったら、そこで市電を下りて、歩いて帰らざるを得ない。それでも急な坂道を楽しんで帰ることができたら、あなたはかなりのラテン系である。