25 February 2009

モンサラーシュ


エヴォラから車で約30分、ワインでお馴染みのレゲンゴシュを通過してモンサラーシュに着く。土曜日の夕方に出発して着いたのは夜10時前。レゲンゴシュを通過してモンサラーシュの城が見えるまで、辺りは暗闇に包まれたままだった。前日のヤスシ君送別パーティで、ヴァシュコが目的地には夜着くのが楽しい、と言っていたのを思い出す。

その日はエスタラージェンに宿泊。「エスタラージェン」というのは、言葉そのものには宿泊施設という意味しかないのだけれど、ポルトガルでは「オテル」、「ポウザーダ」とは区別して用いられる。何となくポウザーダには及ばないけど良い宿泊施設という認識をしていたけれど、改めてネットで調べてみると、エスタラージェンというのは次のように定義されるようだ。

1.地域の特徴的な建築物を改修などして利用していること。
2.緑地に囲まれた風光明媚な場所に立地していること。
3.4つ星、あるいは5つ星のホテル設備を整えていること。

特徴的なのは、2の景色の良い場所に立地しているという点。こういう視点からホテルが分類されているというのはおもしろい。多くが国宝級の建築物を改修してホテル利用されている「ポウザーダ」との違いはここにあるようだ。

エスタラージェン近くのレストランで夕食を取る。アレンテージョでは何と言ってもミーガシュを食べるべし。ただ量が多いと途中で飽きてしまうけれど。その後、城の入り口まで散歩。ライトアップされた村の輪郭が見えるだけで、やはり辺りは真っ暗。

朝起きて、今度は辺りは霧に包まれて真っ白。そう、モンサラーシュの近くには湖が存在しているのだ。だから余計に夜は静かで、真っ暗なのだ。霧が晴れてくるにつれて、次第にその景色の全貌が明らかになる。ヴァシュコが言いたかったのはこういうことで、朝、思いもよらない景色が現れることに期待しているのだ。それにしても、この湖のことがガイドブックでは全く触れられていないのは不思議である。この存在感は無視しようがないと思うのだけれど。

闘牛場として再利用されていたというモンサラーシュの城も良いが、予想外は周囲に広がる巨大な湖だった。そういう意味でもモンサラーシュは、エスタラージェンにお誂え向きな村なのである。