15 May 2008

セレサォン

ユーロへ向けてのポルトガル代表23人が決まった。特に大きなサプライズはなかったけれど、個人的には中盤のマニシェは外してほしくなかった。今回は実力のある若手がたくさん入って楽しみな反面、代表での経験値が少ない選手が多く、モロいかもしれない。加えて絶対的なキャプテンが存在しないことが今のポルトガル代表に欠けているものだ。スコラーリは会見で、「5人のキャプテンが役割を分担するようなチームでいいではないか」というようなことを言っていたが、ユーロ予選でポルトガルが苦戦したのは、チームを落ち着かせるキャプテンの不在が原因だった(リスボンで行われたポーランド戦、セルビア戦を観に行ったが、いずれもリードを守りきれず、ホーム2連戦を引き分け。挙げ句の果てにはセルビア戦でスコラーリが試合終了後、セルビアの選手にパンチをくらわせて、予選の残り4試合を監督抜きで戦うはめになった)。ワールドカップ・ドイツ大会のフィーゴを最後に、キャプテンシーを発揮する選手はまだ現れていない。

しかし、今回は割り切って、2年後のワールドカップを目標に、新戦力を使って代表に経験を積ませてほしい。トルコ、チェコ、スイスの順で対戦するが、ポルトガルが不得意とするタイプではない。しかも、若手と言っても、各国リーグで活躍する選手ばかりだ。今期レアル・マドリードでレギュラー出場し続けたセンターバックのペペ、独特のリズムでドリブルを仕掛けるマンチェスターUのナニ、ポルトのカレズマは代表での活躍はまだまだ乏しいだけに注目したい。スポルティングの中盤を操縦するミゲル・ヴェローゾ、ジョアン・モウティーニョの両若手にも期待。そして、トップには、ブレーメンで活躍するウーゴ・アルメイダを(ヌノ・ゴメスのゴール前での言い訳じみたスリップにはもううんざり)。ポルトからチェルシーへの移籍が決まったサイドバックのボジングワは地味だが、確実に活躍すると僕が思うおすすめの選手。

C・ロナウド、シマォン、デコ、R・カルヴァーリョ、リカルドといった代表での経験の多い選手が、スコラーリの言うような5人のキャプテンとなって若手を引っ張っていくことができるかが、一番のキーポイントになるだろう。