14 March 2007

ティト・パリスを見て来た


予告通り、昨日はティト・パリスのライブに行って来た。ゴンサロと午後11時に会場のB.LEZA入り口で待ち合わせる。その時点ではそれほど混雑していなかったけれど、さすがティト、ライブが始まる午前0時頃には、その日が月曜日であるにも関わらず、超満員。途中、入場規制がかかる程だった。

クリーム色のベレー帽を被って登場したティトは、思ったよりも小柄だった。満面の笑みを会場に向けるティト。その夜、彼は期待以上の音楽を聞かせてくれた。ライブは、彼らがどんな表情をして歌い、演奏しているのかが分かっていいけれど、若手のトランペットの奏者に対するティトの視線を見ていると、彼が音楽に対してどれだけ真剣かが分かる。ステージに次から次へと上がってくる彼の教え子たちも、エネルギーに満ちていた。B.LEZAが事務所に近いこともあり、彼らは通りでよく見かける若者たちだ。それだけに親近感も湧く。彼らが歌う姿を厳しく、そして優しく見守るティト。歌い終わればしっかりと抱擁を交わす。ずっとステージに視線を注いでいて、ふと、後ろを振り返ると、老若男女、みんな笑顔で体を揺らしている。「メシ!メシ!(Mexe! Mexe!)」の掛け声に合わせて。ライブは終盤、『Sodade』で盛り上がる(Sodadeは、クレオール語のサウダーデ)。ライブが終了したのは午前3時過ぎ。またしても、睡眠不足になってしまったけれど、僕は完全にカボ・ヴェルデ・ミュージックの虜になってしまった。問題点は、今日やはり仕事中眠かったことだ。木曜日のボーイ・ジェ・メンデス、非常に悩ましい。今月26日(またしても月曜日)には、『Noite de Cabo Verde』と銘打って、ティトやジェ・メンデスらが大集合する。悩ましい。

12 March 2007

内陸の帝国

先週金曜日にようやくキプロスのコンペを提出。28日しかない先月が、ポルトガルに来て一番労働時間が長いという「珍事」が起きてしまうほど働いた月だった。確率は8分の1だけれど、今まで関わったコンペの中では、2番目くらいに勝算がある気がする。

久しぶりの週末はバルセロナへ。金曜日の午後4時に提出をし終え、午後7時半の飛行機でリスボンを発った。空港で、出発の遅れた飛行機を待っている間うとうとしていると、同僚に自分の名前が呼ばれたような気がして目が覚める。ただの空耳だったのだけれど、コンペの呪縛というか、眠気のとれない週末だった。

眠気といえば、バルセロナで見たデヴィッド・リンチの最新作『Inland Empire』は全く夢のような訳の分からなさだった。リスボンに比べてまだ夜は寒いバルセロナを薄着で歩いていたために、暖かい映画館に入った途端、頭がボォッとしてくる。最初の方のかなりゆるーい展開についうとうとしてしまったが、突然、爆音とともに映像に電撃が走り、否応なしに目が覚める。またいつ爆音でびっくりさせられるか分からないという嫌な緊張を感じつつ、約3時間の映画を見終える。率直に言って、かなり疲れる映画だった。夢ならば、意識的に目を覚まして、そこから抜け出そうとしたに違いない。訳が分からないけれども、ある意味で「夢ほどには筋が通っている」展開や映像、音楽は今振り返って考えるとおもしろいと思う。僕の頭に内容が断片的にしか残っていなくて、残っているものは強烈に残っているようなところもまさに夢のようだ。

帰りの飛行機を待っている時間もうとうととしてしまい、眠たくて仕方がない週末だったけれど、結局、僕の眠気は、普通の平日を過ごしていくことで解消されるもののような気がする。