先週金曜日にようやくキプロスのコンペを提出。28日しかない先月が、ポルトガルに来て一番労働時間が長いという「珍事」が起きてしまうほど働いた月だった。確率は8分の1だけれど、今まで関わったコンペの中では、2番目くらいに勝算がある気がする。
久しぶりの週末はバルセロナへ。金曜日の午後4時に提出をし終え、午後7時半の飛行機でリスボンを発った。空港で、出発の遅れた飛行機を待っている間うとうとしていると、同僚に自分の名前が呼ばれたような気がして目が覚める。ただの空耳だったのだけれど、コンペの呪縛というか、眠気のとれない週末だった。
眠気といえば、バルセロナで見たデヴィッド・リンチの最新作『Inland Empire』は全く夢のような訳の分からなさだった。リスボンに比べてまだ夜は寒いバルセロナを薄着で歩いていたために、暖かい映画館に入った途端、頭がボォッとしてくる。最初の方のかなりゆるーい展開についうとうとしてしまったが、突然、爆音とともに映像に電撃が走り、否応なしに目が覚める。またいつ爆音でびっくりさせられるか分からないという嫌な緊張を感じつつ、約3時間の映画を見終える。率直に言って、かなり疲れる映画だった。夢ならば、意識的に目を覚まして、そこから抜け出そうとしたに違いない。訳が分からないけれども、ある意味で「夢ほどには筋が通っている」展開や映像、音楽は今振り返って考えるとおもしろいと思う。僕の頭に内容が断片的にしか残っていなくて、残っているものは強烈に残っているようなところもまさに夢のようだ。
帰りの飛行機を待っている時間もうとうととしてしまい、眠たくて仕方がない週末だったけれど、結局、僕の眠気は、普通の平日を過ごしていくことで解消されるもののような気がする。