カスカイスの別荘の基本設計を担当している。カスカイスに別荘と言えば、クライアントもかなりのお金持ちということになる。間取りも、こちら式に言えば、T7、個室が7部屋にLDK、ジム、オフィス、プール、ワインセラー、ガレージとかなりの豪邸。延床面積も600平米強。ジョアン・ルイスの指示は、「60年代風でありながら、エッジな感じ」。クライアントがリオ・デ・ジャネイロで働くブラジル人銀行家ということもあって、ニーマイヤーなんかを意識しながら案を練る。
ニーマイヤーの作品集など日本にいるときは見たことがなかったけれど(現にニーマイヤーの良い作品集は今ではなかなか手に入らない)、これが見ていて飽きない。ニーマイヤーのラフなパースペクティブのスケッチなど、とても「今風」だし、「自由な曲線」のプランを見れば、最近世界でもてはやされている建築家のプランを思い出す。
ニーマイヤー以外にも、ヴィラノヴァ・アルティーガスや昨年プリツカー賞を受賞したメンデス・ダ・ホシャなど、ブラジルにいい建築家は多い。世界がかつてほどはもてはやさなくなったブラジルの建築は、今でもポルトガルの建築家たちの引き出しに入っている。ブラジル人建築家の作品集を見ていると、そんな気がする。