この旅で唯一ホテルを予約していたのがサラマンカだったけれど、ホテルにたどり着くのにはかなり苦労した。予約したときのemailにはサラマンカ大学の(名前は忘れたが)ある建物の前と書いてあるのだが、まずその建物が見つからない。そのサラマンカ大学の新しいキャンパスはバスターミナルのすぐ隣にあり、ホテルもバスターミナルから徒歩5分と書いてあるのですぐ近くであるのは間違いない。まあ歩いていれば見つかるだろうと思い、キャンパス付近を歩くが見つからない。キャンパス内の大学寮の管理人に聞いてみるが首を傾げるばかり。このホテルは大学の学生寮として建てられたものを一般客にも開放しているものなので、管理人は知っているものと思ったのだけれど。結局ホテルに電話をして道を教えてもらう。聞けば何のことはない、バスターミナル横の通りをまっすぐ下って行くと、確かに徒歩5分程でホテルに到着した。
約10時間の長旅の疲れもあって、しばらく部屋で休む。もっともポルトガルやスペインの午後5時は暑すぎてとても外を歩く気にならない。それで1時間程休み、ホテルから徒歩15分程の街の中心部に向かう。ポルトガルからスペインへ行くといつもそうなのだが、街の修復具合の差に驚く。しかもサラマンカなどの日本でも名の知れた都市になると、僕からすればほぼ完璧に修復されている。経済力の差を実感する瞬間である。もっとも後に訪れたオビエドでは僕はまた別の感想を持つのだけれど。
特にサラマンカに目的があってきたわけではないので、ただぶらぶらと街を歩く。そして時々通りがかった教会に入って中を見学したり、ショップで何かおもしろいものはないかと物色したりしながら夕暮れ時の街を歩く。
日が暮れ、街に明かりが灯り始めた頃、僕は1軒目のバルに入る。ぶらぶらと街を歩きながら後で腹を満たすのに良さそうなバルに僕はめぼしを付けてもいた。マヨール広場付近の小さなバルでチョリソと炊き込みご飯風のものをつまみに、カーニャ(生ビール)2杯。これで4ユーロ程だから、スペインでもまだまだ安くておいしいものを食べることができる。
バルを出て、また街を歩く。屋台がずらりと並んだ広場に遭遇する。売っているものは骨董品やアクセサリーといった類だ。気に入ったものを見つけることはできなかったが、夏の屋台の雰囲気を満喫する。そして2軒目のバルに入り、ピンチョとパタタス・ブラバスをつまみにカーニャ2杯。通りかかりのバス停で時間をたずねられた時には、もう24時近く、ビールと久しぶりの旅に気分が高揚していたものの、疲れをとるためにホテルへ戻る。
翌日、サラマンカ大学やカテドラルを見学した後、午後4時のバスでオビエドへ向かう。