ポルトガルに来て何と5キロも痩せた。4月からなので、約6ヶ月で5キロ。こんなに体重が減ったのは人生初ではないかと思う。全くダイエットなどを試みていたわけではないのだけれど、大学入学時くらいの体重に戻った。ではなぜこんなに痩せたのかというと、おそらく、ポルトガルに「コンビニ」がないからだろう。
正確にはポルトガルにもコンビニのようなものはある。しかし、夜2時で閉店してしまうし、やはり24時間の「コンビニエンス・ストア」には及ばない。日本、特に東京におけるコンビニの密度は驚くべきものである(大学周辺なんかコンビニブランド揃い踏みといった感じだったし)。日本にいた時はお腹が空けばすぐコンビニへ向かい、あるいはお腹がそんなに空いていなくてもコンビニへ向かい(おそらくここがポイント)、3食以外の「間食」をしていたからだろう。ダイエットしたい人は、日本でもコンビニのない町へ引っ越すといいかも。
でも、コンビニ恋しいなあ。留学から帰った後、真っ先にコンビニに行ったしなあ。あの完璧な品揃えが安心感を与えるのだ。
23 September 2005
コンビニサウダーデ
19 September 2005
たくさんの日本人と会った
金曜日、K教授ご夫妻とバイロ・アルトで夕食を共にする。アイレス・マテウス事務所の2人もいっしょ。総選挙のこととか、リスボンでの働き具合などについて話す。留学のときには発見できなかったが、リスボンにはおいしいレストランが数多くある。この日行った「プリメイロ・ド・マーヨ」は事務所の人に教えてもらったところだが、おいしいポルトガル料理を堪能できる。値段は一人15~20ユーロくらいと普通の店(6~8ユーロ)に比べて高いが、それだけの価値はある。日本から誰か訪ねて来たときなんかにはもってこいの店。お店の人も感じが良い。
土曜日、CCBにポルトの建築家ソウト・デ・モウラの講演会を聞きに行く。「Experimenta Design」という9月15日から始まったリスボン・アート・ビエンナーレの一環。チケットは売り切れていたが、「空席待ち」をして中に入る。うちのボスの講演会でもそうだったが、こういう講演会に行くと必ず知った顔をたくさん見かける。ポルトの地下鉄駅とブラガのスタジアムに限定した話。メトロについてはほぼディテールだけをスライドで見せていったのは圧巻だった。初めてソウトを目の前にしたわけだが、講演会中、うちのボスとの風貌の違いについて観察してみた。ソウトとカヒーリョは同じ世代にあり、世界的にはソウトの方が名を馳せているものの、仕事の数は同じくらい多い。従って、どちらも儲けているはずだが、ソウトは髪はボサボサ、シャツも地味な色のものを着ている。一方、カヒーリョはいつもぴちぴちの黒いTシャツに、真っ白なパンツ。ソウトが職人っぽい雰囲気を醸し出しているのに対し、カヒーリョはちょっと好色な感じのデザイナーといった雰囲気。どちらがいいというわけではないが、結果的にはどちらもいかにも建築家らしい。ちなみにこの2人は旧知の仲らしい。
講演会の後、木曜日に知り合ったばかりのシザ事務所のセシモさん達と日本人6人で「パステイス・デ・ベレン」でお茶をする。留学時の友人に会う。CCBで講演会を聞いた後、ここでお茶をしていくというのはよくあるパターンらしい。6人でパシュテイシュ・デ・ベレンを17個平らげる。みんなかなり満足。この日はベレンで日本の花火大会があるということなので、それを見に行こうということになる。一度、サントスまで戻り、僕が行きつけの事務所のそばのパン・コン・チョリソのお店で軽くお腹を満たす。ここのパン・コン・チョリソとカルド・ヴェルデは小腹が空いた時にちょうどいい。
花火大会は予想以上に混んでいた。日本の花火大会並に混んでいる。歩道橋をたくさんの人がゆっくりと進んでいく様子はまさに花火大会を思わせる。この花火大会、実は「第1回リスボン世界花火大会」として先々週末から行われているのだが、先々週がフランス、先週がスペイン、そして今週が日本。花火が打ちあがる前にポルトガル語、英語で「選手紹介」が行われる。そして何と国歌斉唱。リスボンの地で日本国歌を聞くと何ともいえない気分になった。思わずみんなで胸に手をあてる。20分くらいの短い時間だったが、涼しい夜風とともにいい時間を過ごした。
帰りの電車で留学時に一度だけ会った日本人タカくんに偶然会う。2年ぶりの再会に思わず駅のホームで立ち話。彼はサッカーのコーチの勉強をしていたのだが、めでたく今では日本でコーチをしているらしい。また会おうということで電話番号を聞いて別れる。
と、今週末はたくさんの日本人に会ったわけだけれど、来週末から約1週間、また日本から友人が訪ねてくるんだな。
13 September 2005
コヴィリャの橋プロジェクト
夏休みが明けて2週間が経つが、ようやく本来のチームでの仕事に戻る。夏休み明け最初の1週間は同じチームのペドロ、パウラがまだ休暇中で居なかったため、他のチームの手伝いをしていた。そして先週はブラジルのサン・パウロで行われる展覧会用の模型作り。ポルトガル北部にある竣工後の建築物が対象というちょっと変わった展覧会。展覧会用の模型ということで、「できる限りきれいに」をコンセプトとした「模型のための模型」を作成。で、こういう模型作りには1位指名が来る。手先の器用さに関しては日本人が圧倒的に優れている。
その模型が昨日未明に完成し、今日から再びペドロ、パウラ組と働く。4月にリスボンに着いてから、この事務所でのライフワークとなっているポルトガル北部、コヴィリャという町の橋のプロジェクト。橋は全部で3本あり、6箇所の橋の「ふもと」も設計しなければならない。そして橋の接地部分を少し変更する度にエンジニアと構造について相談。ようやく「できたー」と思っても、ジョアン・ルイスが「ちょっとこういう風にした方がいいんじゃない」というとまた1からとは言わないまでも、10のうち6くらいに戻ってしまう。「またやん直さないといけないじゃねぇか...」とペドロはボスのいないところで時々ぼやいている。でも明らかに賛成できないような指摘があった場合はなんとか頑張ってチームの意見を通す。それをボスが受け入れた時は「やったな、ユタカ」と言ってペドロは子供のように喜ぶ。そうやっている内に徐々に設計も終わりに近づいてきており、今は3本目の橋の付け根の周辺のデザイン。自分の意見も少しは反映されるようになってきたかな。
12 September 2005
混迷のタクシードライバー
今日、リスボンへK教授ご夫妻がいらっしゃった。空港まで迎えに行き、空港からタクシーでホテルへ向かった時のこと。「空港からのタクシーには気をつけろ」というのはどこの国の、どんなガイドブックにも書いてあることと思うが、こんなことは初めてだった。
先生ご夫妻とともにタクシーに乗り、行く先を告げる。久しぶりに先生と再会したこともあり、タクシーの中で話をしていると、運転手が「ポルトガル語話せるか?」と聞いてくる。「少し話すよ」と答えると、「リスボンに何しにやってきたのか?」と質問。自分は今建築事務所で働いていて、いっしょに乗っているのは大学の教授で、明日から開催される会議に出席されるために来てるんだ、というようなことを話す。ホテルは空港から近かったため、まもなくホテルに到着し、お金を払う段階。メーターは4.2ユーロ、それにトランク使用料の1.6ユーロ。合計で5.8ユーロ。先生は小額のお札を持っていらっしゃらなかったので、50ユーロ札を渡される。僕は先に下りて荷物をトランクから出していると、先生はちょっとキョトンとした様子で座席にお座りになったまま。「どうされました?」と尋ねると、どうやらお釣りが少ない模様。50ユーロ渡して、25ユーロしか返ってきていない。「お釣りおかしいねぇ」といった表情をしていると、運転手が10ユーロだけ戻してくる。それでも9ユーロくらい足りない。そこで僕が抗議する。「4.2プラス1.6で5.8ユーロでしょ?」すると運転手はもっともらしい運賃表のようなものを取り出して、「いや最近から土日祝日、空港からのタクシー代にはミニマム・チャージがあるんだ」と説明してくる。「今までそんなの払ったこと、いーちーどもない」と「Nunca」に気持ちを込めて、肩をすくめて、目を見開いて抗議する。「そんなの知らないよ」と返事。そこでホテルのフロントに確認しに行くと、やはりそういうものは存在しないらしい。そこでもう出発しかけていたタクシーを止めて抗議する。すると「分かった、分かった。50ユーロ返すからおつりを返せ。そして5ユーロだけ渡せ。」向こうは完全に開き直っている。それで言われた通りお釣りを返して、50ユーロを返してもらい、それから僕が5ユーロ渡すと、何と運転手はその5ユーロ紙幣をビリビリに引きちぎって窓から捨てたのである。びっくりー。
03 September 2005
日葡比較文化論
昨日は久しぶりに週末のバイロ・アルトに行った。ここは飲み屋だらけで特に金曜・土曜の夜はとても混んでいる。最初にリスボンに来た時は毎週末のようにここへ来ていた気がする。だいたいどの飲み屋もそんなに広くはなく、というかこの地区に存在する飲み屋のキャパを越えた数の人がやってくるため、人がたくさん通りに溢れている。夏であろうと冬であろうと、地元の人も観光客も、みんな夜遅くまで通りに出て飲んだくれている。
昨日は日本にいる時並にビールを飲んだ。インペリアル(日本で言う生)を5、6杯。これはおそらく日本の中ジョッキ2杯半くらいなので、そんな、馬鹿みたいに飲んだというわけではない。でも普通のポルトガル人はこんなに飲まない。留学したばかりの頃、ポルトガル人の友達にインペリアル3杯目にかかったところで、「もうやめといた方がいいよ」と言われたのを覚えている。特に飲める飲めないという問題ではなく、「酔っ払う」ということがあまり善しとされていないようだ。日本だと特に学生なんかは酔っ払うために飲みに行っているような場合もある。そういったモラルの違いの存在はとても興味深い。
一方で、ポルトガルでは飲酒運転は日常茶飯事。もちろん「運転しないといけないから」といって飲まない人もいるけれど、同時にかなりの人が飲んだ後でも車の運転をする。日本人に比べて酔っぱらいにくいということももちろん関係しているが。
飲酒とか、男女間の間合いとかに関してはいろいろと違いがある。でも、やっぱり事務所内には喫煙コーナーのようなものは設けるべきで、しかも模型の上でタバコ吸ったり、タバコ持った手で模型指すのはやめてほしい。絶対にやめないだろうけど。
01 September 2005
28番線
夏休みが明けたばかりの今週、事務所内は特にストレスなく、とても平和的に時間が過ぎている。事務所にはいわゆるボスと呼べる人が3人いるけれど、その3人がまだ休暇中だからというのもある。さすがにいろいろと責任のある立場なので、休暇中といってもたまに打ち合わせに来たりもしているけれど、用事が済むとすぐに帰ってしまうので、やはり平和だ。
今日は事務所からエレクトリコ、市電で家まで帰ってみた。いつもは地下鉄で通勤しているが、実は市電でも帰ることができることに最近気が付いた。かなり遠回りするのだけれども。
この市電がリスボンを訪れる人のお目当てだと言っても過言ではない。黄色に塗られたエレクトリコで、丘を上り、旧市街地の幅の狭い道を建物すれすれに駆け抜ける、これがリスボン滞在のハイライトになるのは間違いない。中でも28番線がおすすめである。これに乗れば、リスボン旧市街地の主な名所を一巡りできる。
久しぶりにこの28番線に乗ってみたが、狭い坂道を上ったり下ったりしながら、時々広場に出たり、テージョ川が見えたり、眺めのいい丘の上に出たりとリスボンのいいとこずくめである。所々で途中下車して景色を眺めたり、サン・ジョルジェ城まで歩いてみたりすれば、旧市街地を満喫できると思う。今日はリスボンを見直す良い機会になった。ただ、毎日通勤に使うのはちょっと無理だな。いつもは20分の通勤が1時間近くかかってしまった。ちょっとした気分転換には良い。
でも、このエレクトリコ、たまーに誰かが線路にはみ出して駐車してると全く機能しない。そんなとても運の悪い状況に遭遇してしまったら、そこで市電を下りて、歩いて帰らざるを得ない。それでも急な坂道を楽しんで帰ることができたら、あなたはかなりのラテン系である。