先週末にシントラのカプーショス修道院を訪ねる。シントラに巨岩を利用して作られた修道院があるということは以前から聞いていたが、中心地からやや離れていることもあって、なかなか訪れる機会が今までなかった。ロシオ駅から電車でシントラに到着すると、駅からタクシーで修道院へ向かう。イースター休暇のために最近はどの観光地に行っても異常な程に混んでおり、シントラの旧市街から山へ抜ける道で渋滞に巻き込まれる。それでも約20分くらいで修道院に到着。
フランシスコ会の修道院で1560年に完成。壁や天井には修道院周辺に生い茂るコルク樫より採取されたコルクが断熱材として使用されている。修室の扉は腰程の高さしかなく、天井高も低い。コルクは窓枠の装飾にも使われている。その質素さ故に、壮麗なスペインのエスコリアル修道院と対にして語られることもある。
人間と自然の調和が追求された修道院は、巨大な花崗岩と樹木の間に身を隠すように存在している。そのなかで、修道院に必要な教会、回廊、キッチン、食堂、修室、図書室などが配置されている。1834年以降、修道院から修道士達は姿を消し、以後建物の劣化が進んだ。