20 June 2007

メキシコチーム

5月末にトリエンナーレの準備が始まって以来、たくさんの日本人と会った。トリエンナーレの日本チームの方々はもちろん(これだけで20人くらい)、メキシコのタローさんチームの方々、ニューヨークからヤギさん親子、大学の指導教官、ポルトからセシモさん、イマムラさん、ポルトでウエノさん、という具合。

事務所のトリエンナーレの準備も重なっていたから、なかなかゆっくり時間をとって話せた人は少なかったけれど、おそらく僕がポルトガルにいる間にこの密度で日本人に会うことは、もうないだろう。

準備期間中何度か顔を会わせていたタローさんと、先週木曜日、彼がメキシコへ帰る前夜にレストランで一緒に食事をすることができた。彼は日系メキシコ人だが、日本もメキシコも知る彼が、メキシコで事務所をやっているのは興味深い。彼はトリエンナーレでアメリカに出稼ぎに出たメキシコ人をテーマにしていたが、2つの国の間で揺れる、微妙な心理を彼との会話からも感じた。僕はたかだか2年間ポルトガルに住んでいるだけだが、勝手にいろいろと共感してしまった。

今回のトリエンナーレは、「Urban Voids」がテーマになっているが、各国展示において、真正面から都市の隙間に取り組んでいるチームが多い中、こういった人間の心理の隙間に焦点をあてたメキシコチームは異色で、僕が最も好きな展示の一つであった。